各論:1) 現金
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💡 現金の基本ルール:増えたら左!減ったら右!
現金は会社の財産、つまり「資産」のグループです。
そのため、手元のお金が増えた時は「借方(左)」に、支払って減った時は「貸方(右)」に記録するという絶対ルールがあります。まずはこの感覚を掴みましょう!
【仕訳の基本パターン】
📈 現金が増えた時(例:商品を売って、現金100円を受け取った)
📉 現金が減った時(例:現金100円を支払って、商品を仕入れた)
【現金とは何を指す?】
簿記3級でいう「現金」は、ただの“お札と小銭”だけではありません。
「現金=通貨(紙幣・硬貨) + 通貨代用証券(すぐ換金できるもの)」です。
① 通貨(ふつうにイメージする現金)
手元にあるお金(紙幣・硬貨)。財布・金庫の中身。
② 通貨代用証券(ほぼ現金と同じ働きをするもの)
“受け取ったら、すぐ現金化できる(すぐ使える)”ため、試験上は現金と同じグループに入れて扱うもの。
💡 【通貨代用証券の代表例】
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他人振り出し小切手 (=他人(取引先)が振り出した小切手)
銀行に行けばすぐに現金を支払ってもらえる(換金できる)からです。 -
郵便為替証書
郵便局に持っていけば、現金と引き換えてもらえるからです。(現金を直接送る代わりに使う、現金引換券のようなイメージです)。 -
送金小切手
銀行が発行する、支払いを確実にするための小切手です。これも銀行に持っていけばすぐ現金化できるため、現金として扱います。
簿記の「現金」は、“見た目がお金っぽいか”ではなく、「すぐに換金して使えるか?」という性質で決まります。
【現金と間違えやすいもの(「現金」勘定では処理しない)】
「現金っぽいのに、現金勘定で処理してはいけないもの」の代表をまずは三つ押さえましょう。
試験の引っかけポイントです!
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・収入印紙(しゅうにゅういんし)タップで開く
そもそも何?:国に「税金(印紙税)」を払うためのシールです。領収書や契約書にこのシールを貼ってハンコを押すことで「税金を納めましたよ」という証明になります。
仕訳のルール(状態によって名前が変わる!):使った時 → 税金を払うためのものなので、使った時は「租税公課(そぜいこうか)」という費用の勘定科目で処理します。(※詳しくは後の単元で勉強します!)
残っている時(未使用) → 資産になる!(勘定科目:貯蔵品)
お札と一緒に金庫にしまってあっても、お金ではないので絶対に「現金」に含めてはいけません。また、まだ使っていないから費用にもできません。「今はまだ使っていないけど、後で使うためにストックしている価値のあるモノ」として、現金とはキッチリ分けて資産(貯蔵品)で記録します。
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・郵便切手(ゆうびんきって)タップで開く
そもそも何?:郵便局に「手紙や荷物を運んでね」というサービス料金を前払いした証明のシールです。
仕訳のルール(状態によって名前が変わる!):使った時 → 連絡のやり取りにかかるコストなので、使った時は「通信費(つうしんひ)」という費用の勘定科目で処理します。(※こちらも後で勉強します!)
残っている時(未使用) → 資産になる!(勘定科目:貯蔵品)
収入印紙と同じく、試験では「金庫に未使用の切手がある」という引っかけがよく出ますが、絶対に「現金」で処理してはいけません。未使用で金庫に眠っている時は、資産(貯蔵品)として大切に別枠で記録をつけます。
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・自己振出し小切手(自社が振り出した小切手)タップで開く
そもそも何?:自分が「うちの口座からお金を下ろしていいよ」とサインして、相手に渡した小切手のことです。
💡【超重要】他人の小切手と自分の小切手の決定的な違い小切手は「誰が書いたか」で全く意味が変わります。ここが最大の落とし穴です!
・他人が書いた小切手(他人振出し小切手)をもらった → 銀行でお金をもらえる「現金引換券」です。→ 「現金(資産)」として処理します。
・自分が書いた小切手(自己振出し小切手)が戻ってきた → ただの「自分が書いたメモ書き」が返ってきただけなので、「現金」ではありません。当座預金(資産)で処理します
なぜ「現金」ではなく、どう処理するの?そもそも自分が小切手を書いて相手に渡した時、「近いうちに口座(当座預金)からお金が引き落とされる」と考えて、あらかじめ「当座預金の減少」として記録するルールになっています。(※当座預金については、後の単元で詳しく学びます!)
そのため、渡した小切手が戻ってきた(支払いがキャンセルされた)時は、「現金をもらった!」と処理するのではなく、過去に減らした分を取り消すために「当座預金」を元に戻す(増やす)処理をします。
なぜ「現金」じゃないの?
簿記の現金ルール(すぐ換金して誰にでも使えるか?)を思い出してください。
切手や印紙は、郵便局や国といった「特定の相手・特定のサービス」にしか使えません。「コンビニでお弁当を買う時に、切手や印紙で支払うことはできない」ですよね? だから、どんなに金券っぽくて金庫に入っていても、現金ではないのです。
例題
次の資料から、簿記3級で「現金」勘定として扱う金額を答えなさい。
| 項目 | 金額 | ヒント |
|---|---|---|
| 金庫にある紙幣・硬貨 | 28,000円 | 手元にあるお金 |
| 得意先が振り出した小切手 | 45,000円 | 他人振出し小切手 |
| 郵便為替証書 | 12,000円 | すぐ換金できる証書 |
| 収入印紙 | 5,000円 | 現金っぽいが、支払い用の物品 |
| 郵便切手 | 3,000円 | 切手というモノ |
| 以前に自社が振り出した小切手が戻ってきたもの | 20,000円 | 自己振出し小切手 |
現金の額:85,000円
28,000円 + 45,000円 + 12,000円 = 85,000円
現金に含めるもの
- 金庫にある紙幣・硬貨は、手元にあるお金なので現金に含めます。
- 他人振出し小切手と郵便為替証書は、すぐ換金できる通貨代用証券なので現金に含めます。
現金に含めないもの
- 収入印紙と郵便切手は、見た目は金券に近くても「使うために保管している物品」なので現金には含めません。
- 自己振出し小切手は、自社が過去に支払いのために振り出したものです。戻ってきても現金が増えたわけではなく、当座預金の支払取消として考えます。
💡 【まとめ:現金の定義(試験用に一言)】
現金 = 通貨(紙幣・硬貨) + 通貨代用証券(すぐ換金できるもの)