費用の繰延を教科書で確認
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、費用の繰延の具体的な仕訳手順と、タイムテーブルを使った月割り計算のやり方を図解で順番に解説していきます。
本編 Step 1:会計処理① 繰延(くりのべ)〜来年へパス〜
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会社の成績表(損益計算書)を作るための絶対ルール、それは「今年の成績には、今年の分しか入れない」ことです。
しかし、保険料や家賃などは「1年分をまとめて払う(もらう)」ことがよくありますよね。もし、そのお金の中に「来年の分」が混ざっていたらどうなるでしょう?今年の費用や収益が大きくなりすぎて、今年の正しい利益がわからなくなってしまいます。
そこで決算の日に、「ごめん、これ来年の分だった!」と来年へパス(繰延)して、今年の費用・収益から追い出す作業が必要になるのです。
Step 2 では、この「来年へ追い出すべき金額」を見つけて、正しく処理する練習をします。
1 2-1. 費用の繰延(前払費用)
1年分の保険料や家賃をまとめて先払いしたが、決算の時点で「まだサービスを受けていない来年の月数分」が含まれている状態。
借方: お金を先払いしたことで「来年、追加でお金を払わずにサービスを受ける権利」を手に入れたと考えます。この権利を「前払費用(資産)」という勘定科目で計上します。
貸方: 先払いした金額のうち「来年分の費用」は今年に含めてはいけないため、今年の「費用」からマイナスして来年に持ち越します。(※返金されるわけではありません)
初心者向けイメージ:なぜ「資産」なの?
スマホのギガを前借りしたり、電車の定期券を先に買っておくのと同じです。「後で使えるお得なチケット(権利)」を持っているので、会社の「資産」として扱います。
1 例題 1
会計期間は1月1日〜12月31日である。当年9月1日に、向こう1年分の保険料1,200円を現金で支払い、全額を「保険料」として処理していた。決算につき、次期分を繰り延べる。
この保険は 9/1 から翌年 8/31 までの 12か月分です。決算日は 12/31 なので、今年の分は「9月〜12月の 4か月分」だけ。残りの「1月〜8月の 8か月分」が、追い出すべき来年の分です。
1,200円
1,200円 × (4か月 ÷ 12か月) = 400円
1,200円 × (8か月 ÷ 12か月) = 800円
繰延では、この「来年の分(800円)」を今年の費用から外します。したがって、仕訳で動かす金額は 800円 です。
上の「9/1の仕訳」のように、1年分 1,200円 をまとめて支払った時点では、まず全額を費用として処理しているはずです。この時点では、保険料 1,200円 全額がそのまま当期の費用に入っています。
しかし、そのうち800円分は翌期分です。そこで上の「12/31の仕訳」が必要になります。
借方(左側): 来年タダで保険のサービスを受ける「権利」を手に入れたので、新しく資産として計上します。(資産の増加)
貸方(右側): 今年計上しすぎていた「来年分の費用(800円)」をマイナスして取り消します。(費用の減少=右側に置く)
1,200円 − 800円 = 400円
保険料(今年の費用)は、1,200円から800円を取り消したので、正しく「400円(今年の4ヶ月分)」だけが残りました。一方、前払保険料800円は、来年使えるチケット(資産)として貸借対照表に載ります。
9/1時点では、1,200円 全額が費用です。
まだ資産としては計上されていません。
T字勘定で見ると、保険料は 1,200 から 800 を差し引いて 400 だけ残り、前払保険料 800 が新しく資産として立っていることが確認できます。