費用の見越しを教科書で確認
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、費用の見越しの具体的な仕訳手順と、「未払金」との違いを図解で順番に解説していきます。
本編 Step 2:会計処理② 見越し(みこし)〜今年へ追加〜
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会社の成績表(損益計算書)を作るための絶対ルールは、「今年の成績には、今年の分しか入れない」ことでしたね。 なので、「お金をまだ払っていなくても(もらっていなくても)、今年の分として発生したものは必ず入れる」ことが必要なのです。今年の分はしっかり今年の分に入れてあげます。
たとえば、スマホ代や電気代は「今月使って、来月払う」のが普通ですよね。このように、契約上お金のやり取りが来年であっても、「今年はもう数ヶ月分サービスを使っている(提供している)」なら、その分の費用や収益は今年のものとして付け足す(見越す)必要があります。
Step 3 では、この「今年に付け足すべき金額」を計算して、正しく処理する練習をします。
1 3-1. 費用の見越し(未払費用)
お金を借りていて、利息は来年まとめて後払いする契約になっている。しかし、簿記では「利息を実際に払った時」に全額を費用にするのではなく、「お金を借りている期間」に応じて費用を今年の分と来年の分にキッチリ分けなければなりません。そのため、決算の時点ですでに発生している「今年お金を借りていた数ヶ月分の利息」を今年の費用として計上します。
借方: まだ実際にお金は支払っていなくても、「今年お金を借りていた期間の分の利息」は、今年の「費用」として発生させます。
貸方: 今年の分の利息について、「後で必ず支払わなければならない義務」を背負ったと考えます。この義務を「未払費用(負債)」という勘定科目で計上します。
初心者向けイメージ:なぜ「負債」なの?
クレジットカードの支払いやツケ払いと同じです。「すでにサービスは使ったのに、まだお金を払っていない」状態なので、後で払うプレッシャー(義務)として会社の「負債」になります。
3 例題 3
会計期間は1月1日〜12月31日である。当年11月1日に現金10,000円を借入期間1年、年利率6%で借り入れた。利息は元本返済時に一括で支払う契約である。決算につき、当期分の利息を見越す。
お金を借りる期間(利息が発生する期間)は 11/1 から翌年 10/31 までの 12か月です。決算日の 12/31 時点で、すでに 11月・12月の「2か月間」はお金を借りて使っています。つまり、この 2か月分は「今年の費用」として付け足さなければいけません。
10,000円 × 6% = 600円
600円 × (2か月 ÷ 12か月) = 100円
600円 × (10か月 ÷ 12か月) = 500円
見越しでは、まだ払っていなくても当期に発生した分を先に入れます。したがって、仕訳で追加する金額は当期分 100円です。
借入時点で 「10,000円借りてきた」 という仕訳だけを記録しており、利息についてはまだ何も仕訳していません。
しかし、決算日までに 2か月分 100円 の利息はすでに発生しています。そこで、上の「12/31の仕訳」が必要になります。
借方(左側): 「今年すでにお金を使った分の費用」が発生したので、新しく費用として計上します。(費用の増加=左側に置く)
貸方(右側): 「後で利息を支払う義務」を背負ったので、新しく負債として計上します。(負債の増加=右側に置く)
当期に追加される費用 100円
支払利息 100円 が「今年の費用」として損益計算書に正しく入ります。一方、未払利息 100円 は「後で払う義務(負債)」として貸借対照表に載ります。
まだ11/1時点では利息費用は計上されていません。
まだ負債としても計上されていません。
当期 2か月分(100円)が費用として入ります。
あとで支払う義務が負債として残ります。
T字勘定で見ると、支払利息 100 が新しく費用として入り、同額の未払利息 100 が負債として立っていることが確認できます。