費用・収益の繰延と見越しを教科書で確認
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、なぜ繰延と見越しが必要なのか、身近なサブスクリプションの支払いを例に図解で順番に解説していきます。
1. 導入(フック & Why)
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あなたは11月に、動画配信サービスの「1年分(12ヶ月分)」の料金 12,000円 をドカンと一括で前払いしました。
そして12月末、お店の決算(今年の締め日)を迎えました。
さて、今年の「正しい費用」はいくらでしょうか?
お金は12,000円払いましたが、今年実際にサービスを楽しんだのは、11月と12月の「たった2ヶ月分(2,000円)」だけですよね。
残りの「10ヶ月分(10,000円)」は、今年の費用ではなく、来年楽しむための権利です。
ここが一番大事なポイントです。
簿記の世界では、「お金を払った日(もらった日)」ではなく、「実際にサービスを使った期間(提供した期間)」で今年の費用や収益を計算します。
決算の日に
「ちょっと待て、払ったお金のなかに来年の分が混ざってるぞ!」と今年の成績から追い出したり、
逆に「もう今年の分のサービスを使っているのに、まだ払ってない(帳簿に載ってない)ぞ!」と今年の成績に付け足したり
という、お金と期間のズレを直す「帳尻合わせ」の作業を行います。
これが、この単元で学ぶ「繰延(くりのべ)・見越し(みこし)」の正体です。
2. 全体像(俯瞰図・構造マップ)
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1 2-1. 構造マップ(地図)
この単元でやることは、ズレの修正だけです。ズレには大きく分けて以下の2つの方向しかありません。専門用語の難しさに騙されないでください。
状況: すでにお金は動いたが、その中に「来年の分」まで含まれている。
処理: 来年の分を今年の成績から「減らす(追い出す)」。
結末: 追い出した分は、来年の権利や義務として「資産・負債」へチェンジして持ち越します。
状況: まだお金は動いていないが、すでに「今年の分」のサービスを使っている(提供している)。
処理: 今年の分を今年の成績へ「増やす(付け足す)」。
結末: 付け足した分は、後で払う義務やもらう権利として「資産・負債」へチェンジして持ち越します。
2 2-2. 頻出パターン早見表(この4つが全て)
| パターン名 | 状況(お金と期間のズレ) | 使う勘定科目(決算時) | 決算整理仕訳の型(最小形) |
|---|---|---|---|
| 費用の繰延(来年へ追い出す) | 払いすぎ(来年の分まで払った) | 前払費用【資産:後でサービスを受ける権利】 |
前払〇〇資産
×××
〇〇費費用
×××
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| 収益の繰延(来年へ追い出す) | もらいすぎ(来年の分までもらった) | 前受収益【負債:後でサービスを提供する義務】 |
〇〇益収益
×××
前受〇〇負債
×××
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| 費用の見越し(今年に付け足す) | まだ払ってない(今年の分がすでに発生済) | 未払費用【負債:後でお金を払う義務】 |
〇〇費費用
×××
未払〇〇負債
×××
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| 収益の見越し(今年に付け足す) | まだもらってない(今年の分がすでに発生済) | 未収収益【資産:後でお金をもらえる権利】 |
未収〇〇資産
×××
〇〇益収益
×××
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本編 Step 0:前提ルール「月割り計算」をマスターする
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繰延・見越しでは、「いくら分ズレているか?」を計算します。簿記3級では基本的に月割りで計算します。
月の計算は頭の中だけでやらず、必ず指を折って数えてください。
(例:8月1日〜12月31日なら、8, 9, 10, 11, 12で「5ヶ月」)