簿記の勉強法 / 理解を、解ける力へ

簿記の講義はわかるのに解けない
演習につなぐ4ステップ

独学で止まる理由と、今日からできる4つのステップ

講義では「なるほど」と思えたのに、解答を閉じると最初の一行が書けない。そのたびに講義を見直して、「自分には向いていないのかも」と感じていませんか。

ここで見直したいのは、勉強の量より「わかった」の確かめ方です。解説では先生が選んでくれる勘定科目も、問題では自分で選ぶ必要があります。その間をつなぐのが、一問解く → 迷った理由を解消する → もう一問試すという練習です。

この記事のポイント

講義は、理解の入口。
手が止まったところが、次に学ぶところです。

01 / まず、原因を知る

簿記の講義を聞いても問題が解けないのは、なぜ?

講義中は、先生が問題文のどこに注目し、どの勘定科目を使うかを順番に示してくれます。その説明に納得できることは、大切な理解の一歩です。

ただ、問題集にはその道筋がありません。何が起きた取引なのか、どの科目を使うのか、借方・貸方のどちらに置くのか。説明を追うときには見えなかった迷いが、自分で選ぶときに現れます。

たとえば、同じ仕訳でも

解説を読むとき

「ここは売掛金なんだ。なるほど」

自分で解くとき

「まだ代金を受け取っていない。
どの科目で表せばいいんだろう?」

答えへの納得に加えて、答えを選ぶ理由を確かめる。

「理解してから問題を解こう」と考えると、講義やテキストを何度も見直したくなります。けれど、実際に解くことで初めて見つかる疑問もあります。

「わかってから解く」だけでなく、
「解いてから、理解を深める」へ。
思い描きがちな順番

講義・テキスト → わかる → やってみる → できる

簿記で取り入れたい順番

  1. 01講義を聞く・テキストを読む
  2. 02まず、問題をやってみる
  3. 03
    疑問を見つけ、質問や解説で解消するここで「なぜそうなるか」がつながる
  4. 04理由がわかる
  5. 05もう一度、自力で解けるか確かめる

ポイントは、「やってみる」を、理解が完成するまで待たないこと。わかりやすい講義で得た知識を、演習と疑問の解消によって使える形にしていきます。手が止まることだけで、能力や気合いが足りないと決めつける必要はありません。

02 / 独学で抜けやすい工程

簿記の独学がつらくなる理由は、解消できない疑問の積み重ね。

独学でも、講義を見ることと問題を解くことはできます。一方で、止まった理由を自分だけで解消しようとすると、次のような状態になりがちです。

  • 解説を読んでも、腑に落ちない。答えはわかるのに、なぜその勘定科目を使うのかがわからない。
  • 調べても、自分の疑問に届かない。検索で記事は見つかる。でも、知りたい部分だけが解決しない。
  • 「まあいっか」で、答えだけ覚える。モヤモヤが残ったまま進み、似た問題でまた止まってしまう。

こうして、簿記を学ぶ時間よりも、検索して悩む「迷子の時間」が増えていきます。疑問が積み重なると苦手意識にもつながり、勉強を続ける気持ちが削られてしまいます。

では、どのように疑問を見つけ、解決すればよいのでしょうか。次の講義のあとに、そのまま試せる形にしてみましょう。

03 / 次の講義のあとに試す

「わかった」を「解けた」に変える、
4つのステップ。

特別な教材を増やす必要はありません。いま使っている問題集から、講義に対応する短い問題を一問選んで始めます。

  1. 1

    解説を閉じて、一問解く。

    最初から正解することより、「自分がどこまで判断できるか」を確かめます。途中で止まっても、そこまでの答案は残しておきましょう。

    確かめること:どこまでは、自分で進められた?

  2. 2

    止まった箇所を、一文にする。

    「全部わからない」から一歩進めて、「勘定科目が選べない」「科目はわかるが、左右が決められない」のように、判断できないところを書きます。

    例:「売掛金を使うのはわかるけれど、なぜ借方なのかがわからない」

  3. 3

    答えだけでなく、理由を確かめる。

    解説の該当箇所を読み、「なぜその処理になるのか」を自分の言葉で説明してみます。理由がつながらなければ、問題文・自分の答案・迷った点を添えて質問しましょう。

    確かめること:どこを見落とし、次はどう考えればいい?

  4. 4

    似た問題を、もう一問解く。

    疑問を解消した直後に、解説を見ずに類題へ戻ります。正解したかに加えて、今度は理由を持って判断できたかも確認します。また迷ったら、その箇所からステップ2へ戻りましょう。

    ゴール:「読めばわかる」から「自力で使える」へ。

今日、やることはこれだけ

一問解く。迷いを一文にする。
理由を解消して、もう一問。

04 / 学習を止めないために

疑問を抱え込まない環境も、
勉強の準備のひとつ。

自分で解説を読んで理由がつながれば、そのまま次の演習へ進めます。それでも解決しないときのために、わからないところを質問できる相手や場所を用意しておくと、遠回りを減らせます。

「こんな基礎的なことを聞いていいのかな」と遠慮する必要はありません。なぜ止まったのか、どこを見落としていたのか、次はどう考えればよいのか。その点についてフィードバックを得ることが、自力で解ける状態を作る助けになります。

講義は、理解の入口です。そこで得た知識を使い、疑問を解消して、もう一度試す。講義を見直すだけで進めなくなったら、この順番を取り入れてみてください。

よくある質問

簿記の講義を聞いたのに問題が解けないのはなぜですか?

簿記は説明を聞くだけで自力で解けるようになる科目ではありません。問題を解いて疑問を出し、その理由を解決することで、知識が自力で使える状態に固まりやすくなります。

簿記の独学で挫折を防ぐには何が必要ですか?

わからないところが出た時に、どこで止まったのかを整理し、すぐ質問できる環境を用意することが重要です。疑問を放置せず、理由まで理解してから類題を解くと挫折を防ぎやすくなります。

簿記の講義を聞いた後は、何をすればよいですか?

解説を見ずに短い問題を1問解き、止まった箇所を言葉にしてから解決します。その直後に似た問題をもう1問解くと、講義で得た知識を自力で使う練習になります。

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迷う時間を減らし、理解を深める。
今日の一問を、自分で解ける一問に。

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著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。