簿記3級 貸倒引当金

【貸倒引当金】算定方法と仕訳の基本型!目標金額の計算式で間違いやすい罠|簿記3級

「期末売掛金残高×貸倒実績率」の計算式で出した金額。これって「もう損した金額」だと思っていませんか?実は違います!この計算で求めたのは、「来年回収できなくなるかもしれないから、これくらいクッションを用意しておこう」という未来の【目標金額】です。算定式の意味と、決算整理仕訳の基本の型をスッキリ解説します。

先に結論

決算日を迎えたら、今年の売掛金に対して「来年、回収できなくなるかもしれない金額(クッションの目標額)」を見積もって準備をします。

結論から言うと、この目標金額は以下の算定式で計算します。 回収不能見込み額(目標金額)= 期末売掛金残高 × 貸倒実績率

たとえば、期末売掛金残高が500,000円貸倒実績率(過去の経験からこのくらい回収できなくなるという割合)が2%なら、目標金額は10,000円です。

目標金額が決まったら、以下の基本の「型」を使って決算整理仕訳を切ります。

XXX
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この計算で出した数字は「今すぐ誰かが倒産して損をした額」ではなく、「来年のための念のための準備金」であるということをしっかりイメージしておくことが重要です。

なぜ間違えるのか

初学者が貸倒引当金の計算や仕訳でつまずいてしまう原因は、主に以下の3つです。

1. 算定式で出した数字を「今年の損」だと思い込む

掛け算で出した金額(例:10,000円)を、「もうすでに1万円損してしまった」と勘違いするケースです。まだ誰も倒産していません。この数字はあくまで「来年これくらい失敗するかもしれないから準備しておこう」という未来の目標金額にすぎません。

2. 期末の「売掛金残高」の金額を拾い間違える

算定式は簡単ですが、問題文の読み取りでミスが出ます。決算整理前の残高試算表にある売掛金の数字だけでなく、問題文の指示(期末に売掛金の回収漏れがあった等)で売掛金残高自体が変動している場合、正しい「期末売掛金残高」を出してから掛け算をしないと、計算結果が狂ってしまいます。

3. 仕訳の「借方」と「貸方」の勘定科目が逆になる

借方が「貸倒引当金繰入(費用)」、貸方が「貸倒引当金(資産のマイナス)」です。この基本の型を覚えていないと、左右を逆に書いてしまったり、「貸倒損失」など全く違う勘定科目を使ってしまったりします。

算定式と仕訳の型を教科書の流れで確認

ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、算定式の意味と、仕訳の型に込められた「理屈」を図解で順番に解説していきます。

4
Step 1:決算 - 貸倒引当金の設定 -
1 貸倒れの見積額の算定方法

決算日を迎えました。今年の売掛金に対して「来年、回収できなくなるかもしれない金額」を見積もって、準備をしておきます。

まずは、期末の売掛金について「いくら回収できなさそうか=回収不能見込み額(=いくら引当金を用意しておくべきか)」を計算します。 試験では次の式をそのまま使います。

算定式
回収不能見込み額 = 期末売掛金残高 × 貸倒実績率
  • 回収不能見込み額:期末売掛金残高 × 貸倒実績率で計算する、将来回収できないと見込む金額
  • 貸倒実績率:「過去の経験上、だいたい何%くらいは回収できなくなる」という割合。問題文で2%などと指示されます。
例題(決算:見積計算)
問題

決算日。期末売掛金 500,000円、貸倒実績率 2% とする。
回収不能見込み額はいくらか。

解答
500,000 × 2% = 10,000円
解説

まず、この計算で「何を求めたのか」をしっかりイメージしましょう。

計算の目的:「目標のクッション額(貸倒引当金)」を決めること

この計算は、「いま帳簿にある売掛金のうち、来年どれくらい回収できなくなりそうか?」という未来の危険度を予測するためのものです。

500,000円: 決算日時点で、まだお客さんから回収できていないツケ(売掛金)の総額です。

2%: 「過去の経験上、だいたいこのくらいの割合で回収できなくなる」という実績データ(貸倒実績率)です。

これを掛け合わせた 10,000円(500,000×2%) という数字が、決算が終わったあとに「貸倒引当金(クッション)の残高として、最終的に残っていてほしい目標金額」になります。

初学者が勘違いしやすいポイント

ここで一番大事なのは、この10,000円は「今すぐ誰かが倒産して損をした額」ではないということです。

今はまだ誰も倒産していませんし、本当は来年50万円全額を回収できるかもしれません。しかし、「念のため、これくらいは失敗するリスクとして覚悟して準備しておこう」という、あくまで見込みの金額なのです。

ここから先の決算整理仕訳では、この「10,000円」という目標金額に向けて、帳簿のクッション(貸倒引当金)を足したり引いたりして調整していくことになります。

2 決算整理仕訳

目標金額が決まったら、決算整理仕訳を切ります。まずは金額を気にせず、勘定科目の「型」を押さえてください。

×××
×××

借方:貸倒引当金繰入(費用)

「今年の売上には、これくらい失敗リスクがあるよ」という今年の覚悟。
今年の費用としてP/Lに計上します。

貸方:貸倒引当金(資産のマイナス)

「全部は回収できないかもしれない」というB/S用のクッションです。

例題で確認する
問題

回収不能見込み額 10,000円を決算で設定する。仕訳を行いなさい。

解答
10,000
10,000

計算して出した数字は、来年のための「目標金額」!

貸倒引当金の算定方法と、仕訳の「型」はしっかりイメージできましたか?

「期末売掛金残高×貸倒実績率」で計算して出した数字は、「今すぐ起きた損」ではなく、「来年残っていてほしいクッションの目標額(貸し倒れ引当金)」です。 この「目標額を求めたんだ」という意識を持っていれば、この後に続く「差額補充法(手元の使い残しとの差額を調整する計算)」の理屈が、驚くほどスッキリ理解できるようになります!

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この記事では、effbokiの無料プレビューから「貸倒引当金の算定方法と基本の仕訳の型」を記事向けに整理しました。無料プレビューでは、この求めた「目標金額」と、帳簿にすでに残っている「引当金の使い残し」を見比べて仕訳の金額を決定する「差額補充法」の具体的な手順へと進んでいきます!

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著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。