貸倒引当金の全体像を教科書の流れで確認
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、貸倒引当金の「準備(差額補充法)」から「本番(実際の貸倒れ)」までの全体像を順番に振り返っていきましょう。
全体像
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決 【決算日の処理】計算方法と差額補充法
① 目標クッション額の計算式
決算日に、まず「来年いくらクッションが必要か」という目標金額を計算します。
② 差額補充法の3つの仕訳パターン
仕訳を切るときは、目標金額をそのまま書くのではなく、「いま手元に残っているクッションの使い残し(決算整理前残高)」と見比べて、差額だけを調整します。
A パターンA:手元の残高が「ゼロ」のとき
目標額をそのまま全額カウントして積み上げます。
B パターンB:手元の残高が「足りない」とき
目標額に届くように、不足分だけを追加で補充します。
※「貸倒引当金繰入」は費用なので、借方(左側)に書きます。
C パターンC:手元の残高が「多すぎる」とき
目標額を超えて余っている分を、削って(取り崩して)元に戻します。
※余った分は収益である「貸倒引当金戻入(収益)」として右側に書きます。
翌 【翌期以降の処理】本当に貸倒れた時の分かれ道
年が明けて、本当に貸倒れ(回収不能)が確定してしまったら、その損害は「貸倒損失(かしだおれそんしつ)」という勘定科目(費用)を使って処理します。
ただし、「いつ生まれた売掛金が貸倒れたか」によって、仕訳のやり方が完全に2つに分かれます。ここが試験の最大の引っかけポイントです!
A パターンA:【前期以前】の売掛金が貸倒れた場合
去年から持っていた売掛金なので、去年の決算で貸倒引当金(専用のクッション)を準備してあります。まずはそれを使ってダメージを吸収しましょう。
全額クッションで受け止めるため、今年の新しい損(費用)は出ません。
あるだけのクッションを全額使い切り、防ぎきれずに貫通した分だけを「当期の追加ダメージ」として今年の費用にします。
守ってくれるものが何もないので、諦めて全額を今年の費用にします。
B パターンB:【当期発生】の売掛金が貸倒れた場合(★超危険トラップ)
今年新しく売って生まれた売掛金が、その年のうちに貸倒れてしまった場合です。去年の決算の時にはまだ存在していなかったため、この売掛金を守るためのクッションは用意されていません。
帳簿にどれだけ貸倒引当金の使い残しがあっても、絶対に1円も使ってはいけません。無条件で全額を今年の費用にします。
なぜ使えないの?:手元に残っているクッションは、あくまで「去年の年末に残っていた売掛金」のためだけに作った専用品だからです。今年生まれた売掛金は、そのクッションの対象外(仲間外れ)なのです。