固定資産の売却(間接法)を教科書の流れで解説
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、間接法で固定資産を売却した際の具体的な仕訳パターンを図解で順番に解説していきます。
Step 6:売却②/除却②(減価償却している有形固定資産の売却、除却)
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ここは、減価償却を学んだあとに戻ってきてほしい場所です。
売却①・除却①では、まだ減価償却を考えませんでした。
今度は減価償却をしている有形固定資産の売却・除却について考えていきます。
試験では主にこちらを問われることが多いので、しっかりマスターしていきましょう。
いよいよ、長年がんばってくれたオーブンとお別れする日が来ました。手放すときも「売る」か「捨てる」かの2つの道がありましたね。具体的な数字で振り返ってみましょう。
たとえば、取得原価320,000円のオーブンを数年使い、減価償却累計額が220,000円になっていたとします。このとき、オーブンの「いまの価値(帳簿価額)」は 100,000円 です。
中古業者に 120,000円 で売った(売却)
100,000円の価値のものを120,000円で売れたので、20,000円の「得」をしました。
完全に壊れてしまったので捨てた(除却)
お金は1円も入ってきません。そのため、いまの価値である100,000円が丸ごとそのまま「損」になります。もし捨てるのにお金(廃棄費用)がかかったら、その分さらに損が増えます。
1 売却の仕訳紹介
売却の仕訳では、まず帳簿価額(いまの価値)をつかみ、それを売却代金と比べます。
「直接法」と「間接法」では、帳簿からの固定資産の消し方(見え方)が違うため、仕訳の形が少し変わります。
固定資産の勘定科目の数字がそのまま「いまの価値(帳簿価額)」になっているので、それをダイレクトに消去します。
固定資産が「買ったときの値段(取得原価)」のまま残っているので、いままで溜めてきた「マイナスの記録(減価償却累計額)」も一緒にセットで消去する必要があります。
2 売却の例題
この4題は、売却益のペアと売却損のペアに分けて読むと、とても理解しやすくなります。
直接法と間接法で違うのは、減価償却した分を固定資産から直接減らしておくか、減価償却累計額として別に持つかという記帳方法だけです。
だから、売る直前の帳簿価額と売却代金が同じなら、出てくる売却益・売却損の金額も同じになります。
これからの4題は、そのことが見えるように、あえて数字をそろえてあります。
1 直接法:売却益
帳簿価額400,000円の備品を、450,000円で現金売却した。
直接法なので、現在の備品勘定の金額は、買ったときの値段ではなく、帳簿価額の400,000円になっています。
400,000円の価値のものを450,000円で売ったので、引き算をして50,000円の得をしたことがわかります。
貸方(右側):
備品を手放したので、資産の減少として貸方に「備品」を記入し、帳簿から消去します。
ここで書く金額は、いま現在の価値(帳簿価額)である400,000円です。直接法は、毎年の減価償却のたびに備品勘定の金額を直接ガリガリと削っていくルールでしたよね。そのため、帳簿に残っている備品勘定の数字自体が、いつでも自動的に「今の価値(帳簿価額)」になっています。したがって、今まで使って減った分がすでに差し引かれている400,000円をそのまま右側に書くだけで、備品の記録をきれいにクリアにすることができます。
借方(左側): 代金を現金で受け取ったので、資産の増加として「現金 450,000」を記入します。
差額の処理: 左右の合計を比べると、借方(左)が45万円、貸方(右)が40万円となり、右側が50,000円足りません。この差額を、収益の発生として貸方に「固定資産売却益」と記入します。
2 間接法:売却益
取得原価600,000円、減価償却累計額200,000円の備品を、450,000円で現金売却した。
間接法では、まず引き算をして「いまの価値(帳簿価額)」を自分でつかみにいきます。
これで、例題1と全く同じ「40万円の備品」だとわかりました。450,000円で売ったので、結果は同じく50,000円の得になります。
上段のセット消去: 間接法なので、備品勘定の数字は削られず、買ったときのままの金額になっています。そのため、まずは「備品 600,000」を貸方に書いて消します。それと同時に、別室に溜まっていたマイナス記録の「減価償却累計額 200,000」を借方に書いて取り消します。
現金の記録: 入ってきたお金を資産の増加として借方に「現金 450,000」と縦に並べて記入します。
差額の処理: 左右の合計を比べると、借方(左)が65万円、貸方(右)が60万円となり、右側が50,000円足りません。この差額を、収益の発生として貸方に「固定資産売却益」と記入します。
今度は、解答の仕訳をそのまま見て、どこで帳簿価額が作られているかを確認します。
間接法では、上段の減価償却累計額と備品をひとまとめで見るのがポイントです。
上で囲んだ部分は、減価償却累計額200,000円と備品600,000円です。
この2つを合わせて見ると、備品600,000円から、すでに使った分200,000円を除いた残りが読めます。
ここをひとまとめに見られれば、あとは帳簿価額400,000円の備品を450,000円で売ったと考えれば大丈夫です。
そうすると、差額50,000円だけ利益が出たという、かなりシンプルな仕訳として読めるようになります。
3 直接法:売却損
帳簿価額400,000円の備品を、300,000円で現金売却した。
直接法なので、現在の備品勘定の金額は、買ったときの値段ではなく、帳簿価額の400,000円になっています。
400,000円の価値のものを300,000円で売ったので、引き算をして100,000円の損をしたことがわかります。
貸方(右側):
備品を手放したので、資産の減少として貸方に「備品」を記入し、帳簿から消去します。
ここで書く金額は、いま現在の価値(帳簿価額)である400,000円です。直接法は、毎年の減価償却のたびに備品勘定の金額を直接ガリガリと削っていくルールでしたよね。そのため、帳簿に残っている備品勘定の数字自体が、いつでも自動的に「今の価値(帳簿価額)」になっています。したがって、今まで使って減った分がすでに差し引かれている400,000円をそのまま右側に書くだけで、備品の記録をきれいにクリアにすることができます。
借方(左側): 代金を現金で受け取ったので、資産の増加として「現金 300,000」を記入します。
差額の処理: 左右の合計を比べると、借方(左)が40万円、貸方(右)が40万円となります。ただし、借方には現金30万円しか入っていないため、残りの100,000円を費用の発生として借方に「固定資産売却損」と記入します。
4 間接法:売却損
取得原価600,000円、減価償却累計額200,000円の備品を、300,000円で売却した。
間接法では、まず引き算をして「いまの価値(帳簿価額)」を自分でつかみにいきます。
これで、例題3と全く同じ「40万円の備品」だとわかりました。300,000円で売ったので、結果は同じく100,000円の損になります。
上段のセット消去: 間接法なので、備品勘定の数字は削られず、買ったときのままの金額になっています。そのため、まずは「備品 600,000」を貸方に書いて消します。それと同時に、別室に溜まっていたマイナス記録の「減価償却累計額 200,000」を借方に書いて取り消します。
現金の記録: 入ってきたお金を資産の増加として借方に「現金 300,000」と縦に並べて記入します。
差額の処理: 左右の合計を比べると、借方(左)が50万円、貸方(右)が60万円となり、左側が100,000円足りません。この差額を、費用の発生として借方に「固定資産売却損」と記入します。
ここでも、解答の仕訳をそのまま見て、どこで帳簿価額が作られているかを確認します。
間接法では、上段の減価償却累計額と備品をひとまとめで見るのがポイントです。
上で囲んだ部分は、減価償却累計額200,000円と備品600,000円です。
この2つを合わせて見ると、備品600,000円から、すでに使った分200,000円を除いた残りが読めます。
ここをひとまとめに見られれば、あとは帳簿価額400,000円の備品を300,000円で売ったと考えれば大丈夫です。
そうすると、差額100,000円だけ損が出たという、かなりシンプルな仕訳として読めるようになります。