簿記3級 固定資産・減価償却

【決算整理】定額法の計算式とは?公式で残存価額を「先に引く」理由を解説|簿記3級

減価償却の定額法。「取得原価÷耐用年数」と、買った値段をそのまま割ってしまっていませんか?その計算、実は不正解になる可能性が高いです!公式の最初で「残存価額(最後に残る価値)」を差し引かなければならない本質的な理由を、わかりやすい具体例でスッキリ解説します。

先に結論

簿記3級における減価償却の計算は、毎年同じ金額ずつ価値を減らしていく「定額法(ていがくほう)」というルールでおこないます。

結論から言うと、1年分の減価償却費を出すための計算式は以下の通りです。

1年分の減価償却費

(取得原価 - 残存価額)÷ 耐用年数

ここで絶対にやってはいけないのが、「買った値段(取得原価)」をそのまま年数で割ってしまうことです。 もし使い終わった後に残る価値(残存価額)があるなら、計算の最初に必ずその分を「差し引く」必要があります。全額を費用にしていいわけではなく、「本当に使ってなくなった部分だけ」を年数で割るのが定額法の大原則です。

なぜ間違えるのか

初学者が定額法の計算問題でひっかけに引っかかり、失点してしまう原因は主に以下の3つです。

1. 「残存価額」を引き忘れる(一番多いミス!)

問題文の「取得原価100,000円、耐用年数5年」という数字だけを見て、慌てて「100,000÷5=20,000円!」と計算してしまうケアレスミスです。問題文の端にある「残存価額は取得原価の10%」といった指示を見落とすと、計算結果がすべて狂ってしまいます。

2. なぜ引くのか「理由」を知らずに丸暗記している

「公式だからとりあえず引く」と暗記していると、最近の試験で増えている「残存価額はゼロとする」という問題が出た時に、「あれ?ゼロの時はどうやって計算するんだっけ?」と本番で手が止まってしまいます。

3. 計算に使う3つの用語の意味があやふや

「取得原価(買った値段)」「残存価額(最後に残る価値)」「耐用年数(使う予定の年数)」。この3つの用語が何を指しているのか、自分の言葉でイメージできていないと、公式に数字を正しく当てはめることができません。

定額法の計算式を教科書の流れで解説

ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、定額法の計算式の意味と、「なぜ最初に残存価額を引くのか」という最大の疑問を図解で順番に解説していきます。

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計算方法:定額法

使った分だけ費用にしていくと言ってきましたが、ではその「毎年の費用」はどう計算するのでしょうか。
減価償却の計算方法には、定額法、利息法、生産高比例法などいくつかあります。
ただし、3級ではまず定額法について学びます。

1まずは式を押さえる
1年分(12か月分)の減価償却費
取得原価 処分後に残る価値は差し引きます 残存価額
耐用年数

定額法は、毎年同じ金額だけを使用したことにする方法です。
つまり、実際の使用量にかかわらず、毎期一定額を費用にしていく考え方です。

用語 意味 問題での書かれ方
取得原価 有形固定資産を取得し、使用するまでにかかった金額(買ってきた金額) 取得原価は○○円
残存価額 耐用年数が経過して処分するときに予想される売却価額(最後に残ると予想される価値) 残存価額は取得原価の○%
残存価額はゼロ
耐用年数 その固定資産が「何年使える予定か」の見込み年数 耐用年数は○年

初学者がつまずきやすいのは、取得原価の全部を費用にするわけではない点です。
残存価額があるなら、その分は「最後に残す」と考えるので、最初から費用にする対象から外します。

2なぜ取得原価から残存価額を引くのか

結論から言うと、「費用にしていいのは、本当に使ってなくなった部分(価値が消えた部分)だけ」だからです。

たとえば、100,000円の立派なレジを買ったとします。
これを5年間使う予定ですが、5年後にボロボロになった状態でも、リサイクルショップに持っていけば20,000円で買い取ってもらえる(価値が残る)見込みだとします。この最後に残る予定の価値が「残存価額」です。

ということは、5年間お店で使い倒して、実際にすり減って消えてしまう価値はいくらでしょうか?
100,000円まるごとではなく、差し引き 80,000円分だけ ですよね。
だから、毎年の費用の計算(割り算)に使うベースも、実際に消えてなくなる「80,000円」だけにしなければいけないのです。

引かないと何が起こるか

もし残存価額を引かずに、100,000円をそのまま5年で割ると、

100,000 ÷ 5 = 20,000円

となり、5年間で 20,000円 × 5年 = 100,000円 を全部費用にすることになります。
でも本当は、最後に20,000円残る見込みでした。
つまり、残るはずの20,000円まで費用にしてしまうので、計算が行き過ぎてしまうのです。
だから先に残存価額を引いて、費用にしてよい部分だけを耐用年数で割ります。

「使ってなくなる価値」だけを年数で割る!

定額法の計算式と、残存価額を引く理由はスッキリ腑に落ちましたか?

計算式をただの記号として丸暗記するのではなく、「あとで売れる価値(残存価額)があるなら、その分は費用にしちゃダメだよね」という当たり前の理屈を知っておくことが大切です。 この理屈さえ分かっていれば、最近の試験で増えている「残存価額はゼロとする」という問題が出ても、「あ、最後に残る価値がない(全額すり減ってなくなる)ってことだから、引かずにそのまま割ればいいんだな」と自信を持って対応できるようになります!

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この記事では、effbokiの無料プレビューから「定額法の計算式と残存価額の考え方」を記事向けに整理しました。無料プレビューでは、この計算で出した「1年分の減価償却費」を使って、実際に帳簿へ記録していくための仕訳ルール(直接法と間接法)へと進んでいきます!

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著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。