固定資産の期中売却を教科書の流れで解説
ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、期中売却の考え方と、合体仕訳をパズルのように組み立てる手順を図解で順番に解説していきます。
6 期中で売却
オーブンを売る日は、ちょうど決算日(1年の区切りの日)とは限りません。むしろ、営業している年の途中(期中)で売ることのほうが多いです。
ここで絶対にやってはいけないのが、いきなり売却の仕訳に入ることです。
最後に決算を行ってから、売却する今日までの数ヶ月間、オーブンは毎日がんばってパンを焼いてお店の売上に貢献してくれましたよね。
ということは、「使った分だけ、さらに価値が減っているはず」です。
前期末のデータのまま計算してしまうと、「今日時点の本当の価値」とズレてしまいます。だから、売る直前に「今年使った分の減価償却費」をきっちり計算して、今日現在の最新の価値(帳簿価額)にアップデートしてあげる必要があるのです。
そのため、期中売却は必ず次の「考える順番(2ステップ)」を守って進めます。
- 減価償却の仕訳を切る。
- 売却の仕訳を切る。
取得原価120,000円、年間減価償却費24,000円の備品がある。前期末の減価償却累計額は48,000円であった。
この備品を当期4月1日から6月30日まで使用し、6月30日に65,000円で現金売却した。間接法で仕訳しなさい。
ここまでの「減価償却の仕訳」と「売却の仕訳」という2つの仕訳は、同じ日(6月30日)に行う処理なので、ガッチャンコと1本にまとめて書くのが試験での一般的な解答になります。
合体させるときは、「減価償却累計額」の相殺(引き算)に注目します。
「1」の仕訳で、右側(貸方)に6,000円記帳した。
「2」の仕訳で、左側(借方)に54,000円記帳した。
左右で同じ科目が登場したときは引き算をします。54,000円から6,000円を引くと、差し引き48,000円が左側に残ります。
この「48,000円」という数字、どこかで見覚えはありませんか?そう、「売る前の、前期末時点の累計額」そのものです!
このように、2本の仕訳をまとめて1本の仕訳として表示することもあります。
ただし、考え方としては、まず売却日までの減価償却を計上する、そのあとで売却の仕訳をする、という2段階で追うほうが分かりやすくて安全です。
4月1日から6月30日までの3ヶ月間、オーブンを働かせました。1年で24,000円価値が減るオーブンなので、3ヶ月分を日割り(月割り)で計算します。
これで、減価償却累計額に6,000円が追加され、減価償却累計額は48,000+6,000=54,000円となりました。
今までと同様に売却の仕訳を切ります。
このときに、減価償却累計額のマイナスする額は、48,000円ではなく、54,000円を使用してください。