2. 全体像(俯瞰図)
▼
t字勘定を最初に見てみよう
※繰越商品は、期中は基本的に仕訳を切りません。期末(決算)においてキーになってくる勘定です。期中はひたすら、仕入れたら「仕入勘定」売上げたら「売上勘定」を使用してください。
頻出パターン早見表(これだけで試験の型が見える)
商品売買の仕訳は、「どの場面か」を先に見分けると一気にラクになります。特に、商品売買に先立って手付金(前払金・前受金)が動く場面、仕入や販売に伴って諸係り(運賃・送料)が発生する場面、返品が出る場面は、初学者がつまずきやすいポイントです。
下の5つの表は、どの問題でもほぼ共通して使う「最小の型」をまとめたものです。各行の「仕訳の意味・point」まで読めば、なぜその仕訳になるかが分かるように作ってあります。
①商品を買った/売った時(仕入/売上)※基本。ここから抑えよう。
| パターン名 | 最小仕訳の型 | 仕訳の意味・point |
|---|---|---|
| 現金で商品を仕入れた。 | 仕入
××
現金
××
|
三分法では、商品を仕入れたら、仕入れた額を「仕入勘定(費用)」で処理します。 現金を支払って、商品を仕入れたので、以下のようになります。
借方:「仕入勘定(費用)」の発生。
貸方:「現金勘定(資産)」の減少。
|
| 掛けで商品を仕入れた。 | 仕入
××
買掛金
××
|
商品は受け取ったが、代金は後払いです。 現金の代わりに"あとで払う義務「買掛金(負債)」"が増えるのがポイントです。
借方:「仕入勘定(費用)」の発生。
貸方:「買掛金(負債)」の増加。
|
| 現金で商品を売り上げた。 | 現金
××
売上
××
|
三分法では、商品を売り上げたら、売り上げた額を「売上勘定(収益)」で処理します。 現金を受け取って商品を売上げたので、以下のようになります。
借方:「現金勘定(資産)」の増加。
貸方:「売上勘定(収益)」の発生。
|
| 掛けで商品を売り上げた。 | 売掛金
××
売上
××
|
入金は後日でも、引渡しが済めば売上は計上します。なので借方は現金ではなく、将来回収する権利「売掛金(資産)」です。
借方:「売掛金(資産)」の増加
貸方:「売上勘定(収益)」の発生。
|
②返品(戻し)があったら? (仕入戻し/売上戻し)
| パターン名 | 最小仕訳の型 | 仕訳の意味・point |
|---|---|---|
| 掛けで仕入れた商品を返品した(未払いのまま)。 | 買掛金
××
仕入
××
|
仕入取引を取り消すので、仕訳も逆にします。買掛金は減り、仕入も減ります。
借方:「買掛金(負債)」の減少(=マイナス)
貸方:「仕入(費用)」の取消(=マイナス)
|
| 掛けで売った商品が返品された(未回収のまま)。 | 売上
××
売掛金
××
|
売上を取り消すので、仕訳も逆にします。売掛金は減り、売上も減ります。
借方:「売上(収益)」の減少(=マイナス)
貸方:「売掛金(資産)」の減少(=マイナス)
|
③諸係り・保管費が発生したら?
諸係りは「誰の負担か」「仕入に直接関係するか」で勘定科目が変わります。ここを丁寧に切り分けると、ほぼ迷いません。
| パターン名 | 最小仕訳の型 | 仕訳の意味・point |
|---|---|---|
| 仕入時の引取運賃を、当社が現金で支払った。(仕入活動によって生まれたコスト) | 仕入
××
現金
××
|
仕入に直接かかるコストは「仕入」に含めます。 商品取得のために必要な原価は、もうそれは商品の原価の一部としていいよね!という考えです。
借方:引取運賃の増加=「仕入(費用)」の増加
貸方:「現金(資産)」の減少
|
| 商品の保管料(倉庫代)を現金で支払った。(仕入活動から販売活動の間にかかったコスト(=保管している時にかかったコスト)) | 保管費
××
現金
××
|
保管は取得そのものではなく「保有のための費用」です。 よって「仕入」に含めずに、別の勘定「保管費(費用)」として処理します。
借方:「保管費(費用)」の発生
貸方:「現金(資産)」の減少
|
| 販売時の送料を、当社が現金で支払った。(販売活動でかかったコスト) | 発送費
××
現金
××
|
費用は費用。収益は収益で別で管理したいので、「売上からマイナス」はしません。別途で「発送費勘定(費用)」等を用います。
借方:「発送費(費用)」が発生
貸方:「現金(資産)」の減少
|
④「商品を仕入れるにあたり、前払金を払ってたら?」「商品を売上げるにあたり、前受金をもらってたら?」
商品売買に先立ち、先に手付金として前金を受け取ることがあります。逆に、仕入のために先に前金を払うこともあります。ポイントは「先にお金だけ動いた段階では、まだ仕入・売上を立てない」ことです。
| パターン名 | 最小仕訳の型 | 仕訳の意味・point |
|---|---|---|
| ①仕入の前に、手付金を先に支払った。 | 前払金
××
現金
××
|
現金を支払うが、まだ商品を受け取っていない段階なので仕入ではなく「前払金勘定(資産)」で処理します。 「前払金勘定」=将来商品を受け取る権利(資産)と考えればok。
借方:「前払金(資産)」の増加
貸方:「現金(資産)」の減少
|
| ②後日、商品を受け取り、前払分を仕入に振り替えた。 | 仕入
××
前払金
××
|
この時点(商品を受け取った時点)で仕入が成立します。商品を受け取ることで、将来商品を受け取る権利(前払金)が消滅します。
借方:「仕入勘定(費用)」の発生。
貸方:「前払金(資産)」の減少(消滅)。
|
| ①売上の前に、手付金を先に受け取った。 | 現金
××
前受金
××
|
現金を受け取るが、まだ商品を受け取っていない段階なので売上ではなく「前受金勘定(負債)」で処理します。 「前受金勘定」=将来商品を引き渡す義務(負債)と考えればok。
借方:「現金(資産)」の増加
貸方:「前受金(負債)」の増加
|
| ②後日、商品を引き渡し、前受分を売上に振り替えた。 | 前受金
××
売上
××
|
この時点(商品を引き渡した時点)で売上が成立します。商品を引き渡すことで、将来商品を引き渡す義務(負債)が消滅します。
借方:「前受金(負債)」の減少(消滅)。
貸方:「売上(収益)」の発生。
|
⑤商品券についてはどう扱う?
商品券は「先に現金を受け取り、あとで商品を渡す」取引です。販売時点では売上でなく負債、使用時点で売上に振り替える流れを押さえましょう。
| パターン名 | 最小仕訳の型 | 仕訳の意味・point |
|---|---|---|
| ①自社商品券を現金で販売した。 | 現金
××
商品券
××
|
現金は受け取るが、まだ商品を渡していないので売上ではなく、「商品券勘定(負債)」で処理します。 「商品券勘定」=将来商品を引き渡す義務(負債)と考えればok。
借方:「現金勘定(資産)」の増加。
貸方:「商品券勘定(負債)」の増加。
|
| ②商品券が使われ、商品を引き渡した。 | 商品券
××
売上
××
|
この時点(商品を引き渡した時点)で売上が成立します。商品を引き渡すことで、将来商品を引き渡す義務(負債)が消滅します。
借方:「商品券(負債)」の減少(消滅)。
貸方:「売上(収益)」の発生。
|