簿記3級 固定資産・減価償却

固定資産売却の仕訳【直接法】|帳簿価額と売却損益を例題で確認

この記事の目次

まず、ここだけ押さえよう

直接法の売却では、売る時点の帳簿価額を貸方に書き、固定資産の残高を取り消します。売却代金との差額が、売却益または売却損です。

直接法では、毎年の減価償却で備品などの金額を直接減らしています。だから売却時に消すのも、買ったときの取得原価ではなく、減価償却後の残高です。

  1. 固定資産を帳簿から取り除く

    備品などを貸方へ、売却時点の帳簿価額で記録します。

  2. 売却代金を記録する

    現金で受け取ったなら、借方に現金を記録します。代金が後払いなら、未収入金など取引に合う科目を使います。

  3. 差額を売却益・売却損にする

    代金が帳簿価額より多ければ貸方に固定資産売却益、少なければ借方に固定資産売却損を記録します。同額なら損益は出ません。

売却代金 − 売却時点の帳簿価額 = 売却損益

期中に売る場合は、先に売却までの減価償却を反映します。売る日の帳簿価額にそろえてから、代金と比べることが、計算と仕訳の共通の出発点です。

詳しい解説

固定資産の売却(直接法)

8
Step 6:売却②/除却②(減価償却している有形固定資産の売却、除却)
▼
2 売却の仕訳紹介

売却の仕訳では、まず帳簿価額(いまの価値)をつかみ、それを売却代金と比べます。
直接法と間接法では、帳簿からの固定資産の消し方(見え方)が違うため、仕訳の形が少し変わります。

直接法

固定資産の勘定科目の数字がそのまま「いまの価値(帳簿価額)」になっているので、それをダイレクトに消去します。

売却益があるとき
XXX売却価格
XXX帳簿価格
XXX差引
売却損があるとき
XXX売却価格
XXX差引
XXX帳簿価格
1 直接法:売却益
問題

帳簿価額400,000円の備品を、450,000円で現金売却した。

解答
450,000
400,000
50,000
解説
① 金額の計算

直接法なので、現在の備品勘定の金額は、買ったときの値段ではなく、帳簿価額の400,000円になっています。
400,000円の価値のものを450,000円で売ったので、引き算をして50,000円の得をしたことがわかります。

② 仕訳の考え方

貸方(右側):備品を手放したので、資産の減少として貸方に「備品」を記入し、帳簿から消去します。ここで書く金額は、いま現在の価値(帳簿価額)である400,000円です。

借方(左側):代金を現金で受け取ったので、資産の増加として「現金 450,000」を記入します。

差額の処理:左右の合計を比べると、借方(左)が45万円、貸方(右)が40万円となり、右側が50,000円足りません。この差額を、収益の発生として貸方に「固定資産売却益」と記入します。

3 直接法:売却損
問題

帳簿価額400,000円の備品を、300,000円で現金売却した。

解答
300,000
100,000
400,000
解説
① 金額の計算

直接法なので、現在の備品勘定の金額は、買ったときの値段ではなく、帳簿価額の400,000円になっています。
400,000円の価値のものを300,000円で売ったので、引き算をして100,000円の損をしたことがわかります。

② 仕訳の考え方

貸方(右側):備品を手放したので、資産の減少として貸方に「備品」を記入し、帳簿から消去します。ここで書く金額は、いま現在の価値(帳簿価額)である400,000円です。

借方(左側):代金を現金で受け取ったので、資産の増加として「現金 300,000」を記入します。

差額の処理:左右の合計を比べると、借方(左)が40万円、貸方(右)が40万円となります。ただし、借方には現金30万円しか入っていないため、残りの100,000円を費用の発生として借方に「固定資産売却損」と記入します。

よくある質問

直接法の売却で、取得原価をそのまま消さないのはなぜですか?

直接法では、過去の減価償却で固定資産の残高をすでに減らしているからです。売却時には、その時点で帳簿に残っている帳簿価額を取り消します。

売却代金を後で受け取る場合も、現金を使いますか?

まだ受け取っていないので現金は使いません。未収入金など、取引内容と問題の指定に合う科目で、代金を受け取る権利を記録します。

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著者
effboki編集部
監修
effboki代表清水 和
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。