簿記3級 仕訳・T字勘定・B/S・P/L

【簿記3級】簿記の目的とは?貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の違いをわかりやすく解説

簿記の最大の目的は、会社の状態を数字で正しく把握することです。最終ゴールである「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」の役割と違いを最初に理解して、これからの学習をスムーズに進めましょう!

先に結論

簿記の学習を始めると、すぐに仕訳のルールや勘定科目の暗記が始まります。しかし、そのまま学習を進めると「一体何のためにこんな面倒な記録をしているの?」と途中で迷子になりがちです。

簿記の最大の目的は、会社の「財産」と「儲け」を数字で明らかにすること。

そして、そのために作る最終ゴールがB/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)という2つのレポートです。

この記事では、簿記3級の初学者に向けて、B/SとP/Lの違いや作成する理由をわかりやすく解説します。「最終的に何を作りたいのか」を最初に知っておくことで、これからの簿記学習がグッとスムーズになります!

なぜB/SとP/Lを作る必要があるの?

会社を経営していると、毎日たくさんのお金が出入りします。しかし、「最近よく商品が売れている気がする」「銀行口座にお金がたくさんあるから大丈夫」といった『感覚』だけでは、本当に会社が安全なのかどうかがわかりません。

例えば、こんなケースを想像してみてください。

  • 「口座にお金はたくさんあるけれど、実は半分以上が銀行からの借金だった」
  • 「商品は売れているけれど、仕入代や家賃を引いたら、実は赤字だった」

これでは、経営者本人も、お金を貸す銀行も正しい判断ができず困ってしまいますよね。だからこそ、感覚ではなく「誰が見てもわかる客観的な数字」で会社の状態を説明する必要があります。

今の本当の財産と借金はいくら?

これを明らかにするのが「B/S(貸借対照表)」です。

この1年間でいくら利益が出た?(赤字だった?)

これを明らかにするのが「P/L(損益計算書)」です。

簿記の2つの目的を図解で順番に解説

ここからは、effbokiの教科書の流れに沿って、簿記の目的とB/S・P/Lの役割を整理します。

4
Step 2:簿記の2つの目的(B/SとP/L)

簿記の目的は、会社の状態を「数字」でハッキリさせることです。
具体的には二つの目的があります。

  • 今の財産はいくらあるのか? (今この時点で、何をどれだけ持っていて、借金はいくらあるのか)
  • この1年でいくら儲かったのか? (この1年間で、どれだけ売れて、どれだけ使って、最後にいくら利益が出たのか)

この二つの目的を達成するために、簿記では最終的に以下の二つの書類を作成します。

「貸借対照表(”今の財産はいくらあるのか”を表す表)」と②「損益計算書(”この一年間でいくら儲かったのか”を表す表)」です。

1. 今の財産を知るため
貸借対照表(B/S)を作る

貸借対照表は、「今この瞬間の会社の姿」を切り取る写真のようなレポートです。これを見れば、現在の現金や借金の額がひと目でわかります。

💡 B/Sでわかること
  • 今、現金や商品がいくらあるか
  • 今、借入金などの負債がいくらあるか
  • 差し引きで、会社の元手がいくら残っているか
タイムテーブル 開業 1年目末 2年目末 3年目末 開業から今までの積み重ね 今この時点で、 資産と負債が どのくらいあるかを見る
2. 1年間の成績を知るため
損益計算書(P/L)を作る

損益計算書は、一定期間の「成績表」のようなレポートです。これを見れば、この1年間でどれだけ稼いで、どれだけ利益が出たかがわかります。

💡 P/Lでわかること
  • この1年間で売上がいくらあったか
  • そのために仕入や家賃などをいくら使ったか
  • 差し引きで、利益がいくら出たか
タイムテーブル 開業 前年末 4/1 3/31 今年1年だけを集計 この1年間で どのくらい利益が 出たかを見る

このように、「今の状態」を知るためのB/Sと、「1年間の成績」を知るためのP/L。この2つをセットで用意することで、はじめて会社の全体像がわかる仕組みになっています。

仕訳や勘定科目と「B/S・P/L」のつながり

最終的なゴールである「B/S」と「P/L」のイメージは掴めましたか?

これから本格的に仕訳の学習が始まりますが、目の前の取引を借方・貸方に分けることも、T字勘定に集計することも、それ自体がゴールではありません。すべては最後に正しいB/SとP/Lを作成し、会社の状態を正確に把握するために行っています。

【超重要】B/Sは「今までの積み重ね」、P/Lは「今年1年だけの成績」

最後に、教科書の図解にもある通り、今後の学習で絶対に知っておくべき重要な違いを一つだけお伝えします。

P/L(損益計算書)は「当期間(今年1年)だけの成績表」です。

なぜなら、「今年の会社の頑張り(売上や利益)」を正しく評価するためには、過去の成績を一度リセットして、今年の分だけで計算し直す必要があるからです。

B/S(貸借対照表)は「創業から今までの積み重ね」です。

なぜなら、現金や借金は「年が変わったからゼロになる」というものではないからです。去年の年末に残っていた現金や借入金は、今年の元旦にもそのまま引き継がれますよね。

この「P/Lは1年でリセットされる」「B/Sは翌年以降もずっと引き継がれていく」という感覚は、後々、簿記3級の後半(決算など)を学ぶ際に非常に重要になってきます。今は「そういう違いがあるんだな」と頭の片隅にしっかりと置いておいてくださいね!

「なぜこの仕訳をするの?」と迷ったときは、ぜひ「最終的にB/SとP/Lを作るため」というゴールを思い出してください。バラバラだった知識がパズルのように一本の線に繋がり、理解が深まるはずです。

関連論点も確認

関連する論点も続けて学ぶ

関連する学習記事では、点ではなく「実際の流れ」の中でより詳しく確認できます!

このテーマの記事一覧を見る独学用Web教科書の特徴を見る
著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。