Step 1:完成図を知る(ホームポジションの理屈)
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すべての基準はここにあります。
5つの要素が、B/SとP/Lの「左右どちら」にいるのか。
下の図解のように、5つの要素は、それぞれの表の中で、左右どちらに表示されるかが決まっています。
これを「ホームポジション」といいます。
資産のホームポジションは左(借方)、負債のホームポジションは右(貸方)、収益のホームポジションは右(貸方)です。
「ホームポジションはどっちだっけ?」と迷ったら、下の完成図を頭に思い描いてください。
図解:B/SとP/Lのホームポジション(完成図)
なぜ資産は左で、負債は右なのか。そしてなぜ費用は左なのか。
これから、その理由を順番に見ていきます。
1 B/Sの左右が決まる理由(絶対ルール)
まずは、B/Sから考えましょう。
簿記の世界には、絶対に崩してはいけない天秤の方程式があります。
この天秤を釣り合わせるために、それぞれのホームポジション(定位置)が決まっています。
なので、B/Sは、左が資産で、右が負債と純資産になります。
この完成図を頭に置いておくと、借方と貸方の向きがブレにくくなります。
図解:B/Sのホームポジション
2 P/Lの左右が決まる理由(純資産との関係)
では、「費用」と「収益」はどっちがホームでしょうか?
これは「最終的に、純資産(会社の持ち分)をどう動かすか」で決まります。純資産のホームは「右」でしたね。
費用が増えると、利益が減り、最終的に「純資産」を減らします。
純資産(右)を減らすには、逆側に書くのがルールです。だから、純資産を減らす要因である「費用」のホームは「左(借方)」なのです。
収益が増えると、利益が増え、最終的に「純資産」が増えます。
純資産を増やす「味方」なので、「収益」のホームも純資産と同じ「右(貸方)」です。
つまり、P/Lは、左が費用で、右が収益です。
完成したP/Lでは、左右の差額としての利益が左側に入り、全体がそろいます。
図解:P/Lのホームポジション(黒字)
収益が多いときは、差額の利益が左側に入って全体がそろいます。
図解:損失が出たときのP/L
費用が多いときは、足りない分を右側に「損失」として足して左右をそろえます。
3 BSとPLについて細かく
簿記のゴールである2つの財務諸表について、仕組みを詳しく見てみましょう。
どちらも「左(借方)の合計と、右(貸方)の合計は必ず一致する」というルールがあります。
1 貸借対照表 (B/S) = 財産の「出どころ」と「いまの姿」
貸借対照表(B/S)は、決算日など「ある特定の時点での、会社の財産の状態」を表す表です。
Step 1で、「資産 = 負債 + 純資産」という天秤のルールを勉強しましたね。実はこのルール、ビジネスの視点から言い換えると、とても当たり前でシンプルなことを言っているだけなのです。B/Sを「右と左」に分けて見てみましょう。
右側で集めたお金が「いま手元にどういう状態で存在しているか」を表します。現金のまま持っているのか、それとも商品や建物といったモノに姿を変えているのか(=資産)が並びます。
会社の活動を始めるための「お金の出どころ」です。銀行から借りて集めたのか(=負債)、社長や株主が自腹で出したのか(=純資産)が並びます。
あなたが会社を作るために、自分の貯金から「現金100万円」を出資したとします。このとき、お金の出どころである右側(純資産)が100万円増えます。そして同時に、会社の手元には現金がやってくるので、いまの姿である左側(資産の現金)も100万円増えますよね。
つまり、B/Sの左と右は、まったく違うものを並べているわけではありません。「集めたお金(右)」と、「それが姿を変えたもの(左)」という、同じお金を2つの視点から見ているだけなのです。
だからこそ、「左側の合計」と「右側の合計」は必ずピッタリ一致(バランス)します。これが、貸借対照表が「バランスシート(B/S)」と呼ばれるゆえんです。
左側(借方) = 集めたお金が今どんな姿か
ここには、会社が実際に持っているものが並びます。
現金、商品、建物など、「集めたお金が何に変わったか」を見る場所です。
右側(貸方) = 資金調達の内訳
ここには、お金をどうやって集めたかが並びます。
借りて集めた分が「負債」、社長や株主が出した元手が「純資産」です。
すると、右側には 純資産60・負債40 が並び、その結果として左側には 現金100という資産 が残ります。
2 損益計算書 (P/L) = 1年間の「成果」と「犠牲」の成績表
貸借対照表(B/S)が「ある時点の財産」を表すのに対し、損益計算書(P/L)は、1年間など「ある一定期間の、会社の成績」を表す表です。
P/Lも「右と左」の役割に分けて見てみましょう。
右側の成果(売上など)を出すために、「どれだけのコスト(犠牲)を払ったか」です。商品の仕入代や、店舗の家賃、スタッフのお給料などが並びます。
会社が期間中にがんばって生み出した「成果(稼ぎ)」です。本業で商品を売って得た「売上」などが並びます。
あなたが文化祭で「たこ焼き屋」を出したとします。お客さんにたこ焼きを売って受け取ったお金(10万円)が、右側に並ぶ「収益(成果)」です。でも、その10万円を稼ぐために、タコや小麦粉を買ったり、場所代を払ったりして7万円使いました。これが左側に並ぶ「費用(犠牲)」です。
B/Sと違い、P/Lは最初から左右が一致しているわけではありません。この左右のズレ(差額)が、会社の本当の儲けである「利益」、または赤字である「損失」です。
最終的に表の形にする時は、足りない側に利益(または損失)を書き足すことで、箱のサイズ(左右の合計)をピッタリ一致させます。
費用<収益だった時
費用より収益の方が多いので、差額は利益(当期純利益)となります。
費用>収益だった時
収益より費用の方が多いので、差額は損失(当期純損失)となります。