簿記3級 仕訳・T字勘定・B/S・P/L

B/SとP/Lの関係とは?当期純利益と繰越利益剰余金がつながる流れ

B/Sは会社の財政状態、P/Lは経営成績を表します。P/Lで計算した当期純利益は、決算を通じて繰越利益剰余金となり、B/Sの純資産へつながります。

先に結論

B/Sは財政状態、P/Lは経営成績を表します。P/Lで出た利益はB/Sの純資産へつながります。

簿記3級では、用語の意味を丸暗記するよりも、取引の流れとホームポジションを結びつける方が安定します。

仕訳をゴールのB/S・P/Lから逆算すると、なぜ左右に置くのかが見えます。

なぜ間違えるのか

P/Lで終わると思ってしまう

P/Lは利益を計算する表ですが、そこで終わりではありません。当期純利益は決算を通じて繰越利益剰余金となり、B/Sの純資産に残ります。

「B/SとP/Lの関係」を単語だけで覚える

仕訳をゴールのB/S・P/Lから逆算すると、なぜ左右に置くのかが見えます。名前の意味だけで覚えるより、取引の流れの中でどこに置くかを確認する方が実戦で使いやすくなります。

ゴールの表を見ずに左右を決める

仕訳だけを見ると、借方・貸方が暗記になりやすくなります。仕訳をゴールのB/S・P/Lから逆算すると、なぜ左右に置くのかが見えます。B/S・P/Lの完成図から逆算すると判断が安定します。

B/SとP/L、当期純利益、繰越利益剰余金を教科書の流れで解説

ここからは、effbokiの実際の教科書を使って解説していきます。

3
Step 1:完成図を知る(ホームポジションの理屈)

すべての基準はここにあります。

5つの要素が、B/SとP/Lの「左右どちら」にいるのか。
下の図解のように、5つの要素は、それぞれの表の中で、左右どちらに表示されるかが決まっています。
これを「ホームポジション」といいます。
資産のホームポジションは左(借方)、負債のホームポジションは右(貸方)、収益のホームポジションは右(貸方)です。
「ホームポジションはどっちだっけ?」と迷ったら、下の完成図を頭に思い描いてください。

図解:B/SとP/Lのホームポジション(完成図)
貸借対照表(B/S)
資産
負債
純資産
損益計算書(P/L)
費用
利益(差額)
収益

なぜ資産は左で、負債は右なのか。そしてなぜ費用は左なのか。
これから、その理由を順番に見ていきます。

1 B/Sの左右が決まる理由(絶対ルール)

まずは、B/Sから考えましょう。
簿記の世界には、絶対に崩してはいけない天秤の方程式があります。

資産(左) = 負債(右) + 純資産(右)

この天秤を釣り合わせるために、それぞれのホームポジション(定位置)が決まっています。

なので、B/Sは、左が資産で、右が負債と純資産になります。

この完成図を頭に置いておくと、借方と貸方の向きがブレにくくなります。

図解:B/Sのホームポジション

貸借対照表(B/S)
資産
負債
純資産
2 P/Lの左右が決まる理由(純資産との関係)

では、「費用」と「収益」はどっちがホームでしょうか?

これは「最終的に、純資産(会社の持ち分)をどう動かすか」で決まります。純資産のホームは「右」でしたね。

費用(コスト)の性質

費用が増えると、利益が減り、最終的に「純資産」を減らします。

純資産(右)を減らすには、逆側に書くのがルールです。だから、純資産を減らす要因である「費用」のホームは「左(借方)」なのです。

収益(儲け)の性質

収益が増えると、利益が増え、最終的に「純資産」が増えます。

純資産を増やす「味方」なので、「収益」のホームも純資産と同じ「右(貸方)」です。

つまり、P/Lは、左が費用で、右が収益です。

完成したP/Lでは、左右の差額としての利益が左側に入り、全体がそろいます。

図解:P/Lのホームポジション(黒字)

損益計算書(P/L)
費用
利益(差額)
収益

収益が多いときは、差額の利益が左側に入って全体がそろいます。

図解:損失が出たときのP/L

損益計算書(P/L)
費用
収益
当期純損失

費用が多いときは、足りない分を右側に「損失」として足して左右をそろえます。

3 BSとPLについて細かく

簿記のゴールである2つの財務諸表について、仕組みを詳しく見てみましょう。
どちらも「左(借方)の合計と、右(貸方)の合計は必ず一致する」というルールがあります。

1 貸借対照表 (B/S) = 財産の「出どころ」と「いまの姿」

貸借対照表(B/S)は、決算日など「ある特定の時点での、会社の財産の状態」を表す表です。

Step 1で、「資産 = 負債 + 純資産」という天秤のルールを勉強しましたね。実はこのルール、ビジネスの視点から言い換えると、とても当たり前でシンプルなことを言っているだけなのです。B/Sを「右と左」に分けて見てみましょう。

【左側】= 集めたお金が、いまどんな形になっているか?(財産の今の姿)

右側で集めたお金が「いま手元にどういう状態で存在しているか」を表します。現金のまま持っているのか、それとも商品や建物といったモノに姿を変えているのか(=資産)が並びます。

【右側】= お金をどこから集めてきたか?(資金調達の手段)

会社の活動を始めるための「お金の出どころ」です。銀行から借りて集めたのか(=負債)、社長や株主が自腹で出したのか(=純資産)が並びます。

📝 例え話で考えてみよう

あなたが会社を作るために、自分の貯金から「現金100万円」を出資したとします。このとき、お金の出どころである右側(純資産)が100万円増えます。そして同時に、会社の手元には現金がやってくるので、いまの姿である左側(資産の現金)も100万円増えますよね。

💡 左右が必ず一致する理由

つまり、B/Sの左と右は、まったく違うものを並べているわけではありません。「集めたお金(右)」と、「それが姿を変えたもの(左)」という、同じお金を2つの視点から見ているだけなのです。

だからこそ、「左側の合計」と「右側の合計」は必ずピッタリ一致(バランス)します。これが、貸借対照表が「バランスシート(B/S)」と呼ばれるゆえんです。

左側(借方) = 集めたお金が今どんな姿か

ここには、会社が実際に持っているものが並びます。
現金、商品、建物など、「集めたお金が何に変わったか」を見る場所です。

貸借対照表
資産 (100)
負債 (40)
純資産 (60)
左合計: 100
右合計: 100
左右がピッタリ一致!

右側(貸方) = 資金調達の内訳

ここには、お金をどうやって集めたかが並びます。
借りて集めた分が「負債」、社長や株主が出した元手が「純資産」です。

たとえばこの図は、社長が60万円出資し、銀行から40万円借りて、会社に100万円の現金が入った状態だと考えると分かりやすいです。
すると、右側には 純資産60・負債40 が並び、その結果として左側には 現金100という資産 が残ります。
2 損益計算書 (P/L) = 1年間の「成果」と「犠牲」の成績表

貸借対照表(B/S)が「ある時点の財産」を表すのに対し、損益計算書(P/L)は、1年間など「ある一定期間の、会社の成績」を表す表です。

P/Lも「右と左」の役割に分けて見てみましょう。

【左側】= そのために、いくら使ったか?(犠牲 / 費用)

右側の成果(売上など)を出すために、「どれだけのコスト(犠牲)を払ったか」です。商品の仕入代や、店舗の家賃、スタッフのお給料などが並びます。

【右側】= どれだけ稼いだか?(成果 / 収益)

会社が期間中にがんばって生み出した「成果(稼ぎ)」です。本業で商品を売って得た「売上」などが並びます。

📝 例え話で考えてみよう

あなたが文化祭で「たこ焼き屋」を出したとします。お客さんにたこ焼きを売って受け取ったお金(10万円)が、右側に並ぶ「収益(成果)」です。でも、その10万円を稼ぐために、タコや小麦粉を買ったり、場所代を払ったりして7万円使いました。これが左側に並ぶ「費用(犠牲)」です。

💡 足りない側に利益(または損失)

B/Sと違い、P/Lは最初から左右が一致しているわけではありません。この左右のズレ(差額)が、会社の本当の儲けである「利益」、または赤字である「損失」です。

最終的に表の形にする時は、足りない側に利益(または損失)を書き足すことで、箱のサイズ(左右の合計)をピッタリ一致させます。

費用<収益だった時

費用より収益の方が多いので、差額は利益(当期純利益)となります。

損益計算書(左側)
費用 (70)
当期純利益 (30)
収益 (100)
左合計: 100
右合計: 100

費用>収益だった時

収益より費用の方が多いので、差額は損失(当期純損失)となります。

損益計算書(右側)
費用 (100)
収益 (80)
当期純損失 (20)
左合計: 100
右合計: 100
教科書で前後の流れまで確認

この続きは教科書で確認できます

この記事では、effboki教科書の中から「B/SとP/Lの関係」と「当期純利益がB/Sの純資産へつながる流れ」を記事向けに整理しました。教科書本編では、簿記についてもっと体系的に、点ではなく繋がりで確認できます。

簿記3級の教科書を無料で見てみる 質問しながら簿記を学びたい方はこちら

次に読む記事

BSとは?PLとは?B/S・P/Lの左右が決まる理由と5要素

BS(B/S・貸借対照表)は会社の財産の状態を表し、PL(P/L・損益計算書)は利益の計算過程を表します。B/Sは左に資産、右に負債・純資産、P/Lは左に費用、右に収益が入ります。

仕訳の借方・貸方がわからない人へ|左右の覚え方と判断手順

借方・貸方で迷う原因は、勘定科目名だけで左右を決めようとすることです。5要素と増減から判断します。

仕訳・T字勘定・B/S・P/Lの記事一覧

簿記3級の仕訳、借方・貸方、T字勘定、B/S・P/Lのつながりを、先に結論を押さえてから教科書の流れで確認できます。