簿記3級 経過勘定

経過勘定の覚え方・仕訳一覧|前払・前受・未払・未収を比較

この記事の目次

まず、ここだけ押さえよう

経過勘定は、費用・収益を正しい期間に分けるための4つの区分です。「繰延べか見越しか」を決めると、使う科目を選びやすくなります。

すでに記録した翌期分を外すなら「前払・前受」、まだ記録していない当期分を加えるなら「未払・未収」です。次に、支払う側の費用なのか、受け取る側の収益なのかを分けます。

経過勘定と決算整理仕訳
調整する場面仕訳残る権利・義務
費用の翌期分を外す
(繰延べ)
××
××
前払費用は資産。翌期にサービスを受ける権利。
収益の翌期分を外す
(繰延べ)
××
××
前受収益は負債。翌期にサービスを提供する義務。
未記録の当期費用を加える
(見越し)
××
××
未払費用は負債。あとで代金を支払う義務。
未記録の当期収益を加える
(見越し)
××
××
未収収益は資産。あとで代金を受け取る権利。

費用は増えると借方、減ると貸方。収益は増えると貸方、減ると借方です。当期の費用・収益を増やすか減らすかから考えると、反対側の経過勘定も決まります。実際の仕訳では、前払保険料・未払利息など、問題で指定された科目を使います。

詳しい解説

繰延と見越しの早見表

2
2. 全体の流れをつかもう
▼
1 2-1. 構造マップ(地図)

この単元でやることは、ズレの修正だけです。ズレには大きく分けて以下の2つの方向しかありません。専門用語の難しさに騙されないでください。

① 繰延(くりのべ) = 払いすぎ・もらいすぎ(後回しにする)

状況: すでにお金は動いたが、その中に「来年の分」まで含まれている。

処理: 来年の分を今年の成績から「減らす(追い出す)」。

結末: 追い出した分は、来年の権利や義務として「資産・負債」へチェンジして持ち越します。

② 見越し(みこし) = まだ払ってない・もらってない(先取りする)

状況: まだお金は動いていないが、すでに「今年の分」のサービスを使っている(提供している)。

処理: 今年の分を今年の成績へ「増やす(付け足す)」。

結末: 付け足した分は、後で払う義務やもらう権利として「資産・負債」へチェンジして持ち越します。

2 2-2. 頻出パターン早見表(この4つが全て)
パターン名 状況(お金と期間のズレ) 使う勘定科目(決算時) 決算整理仕訳の型(最小形)
費用の繰延(来年へ追い出す) 払いすぎ(来年の分まで払った) 前払費用
×××
×××
収益の繰延(来年へ追い出す) もらいすぎ(来年の分までもらった) 前受収益
×××
×××
費用の見越し(今年に付け足す) まだ払ってない(今年の分がすでに発生済) 未払費用
×××
×××
収益の見越し(今年に付け足す) まだもらってない(今年の分がすでに発生済) 未収収益
×××
×××

最後に、ここを確認

  • 最初は「繰延べか、見越しか」を決めます。

    すでに記録した翌期分を外すなら繰延べ、まだ記録していない当期分を足すなら見越しです。次に、費用の調整なのか、収益の調整なのかを確認します。

  • 資産・負債は「残る権利や義務」で考えます。

    前払費用はサービスを受ける権利、未収収益は代金を受け取る権利なので資産です。未払費用は代金を払う義務、前受収益はサービスを提供する義務なので負債です。

よくある質問

前払・前受・未払・未収は、どの順番で考えますか?

まず、記録済みの翌期分を外す繰延べか、未記録の当期分を加える見越しかを分けます。次に、費用か収益かを確認すると、4つの経過勘定を選べます。

経過勘定の仕訳で、借方と貸方をどう判断しますか?

当期の費用・収益を増やすのか減らすのかから考えます。費用の増加は借方、収益の増加は貸方です。反対側に、受け取る権利や支払う義務などを記録します。

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著者
effboki編集部
監修
effboki代表清水 和
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。