簿記3級 固定資産・減価償却

減価償却の計算・仕訳まとめ|定額法から累計額までの流れ

この記事の目次

まず、ここだけ押さえよう

減価償却は、取得時の条件から「当期の費用」を計算し、仕訳で「累計額」と「帳簿価額」に反映する流れです。

何年も使う資産の取得原価を、その使う期間へ配分します。計算する前に、取得原価・残存価額・耐用年数と、当期の使用期間を確認します。

  1. 定額法で1年分を求める

    取得原価から、使い終わった後に残る見込みの残存価額を引き、耐用年数で割ります。

  2. 当期の使用月数に合わせる

    1年未満なら、年額に使用月数÷12を掛けます。ここで求めた額が、今回記録する減価償却費です。

  3. 直接法・間接法に合わせて仕訳する

    借方はどちらも減価償却費。貸方は、直接法なら備品などの固定資産、間接法なら減価償却累計額です。

当期の費用と、帳簿に残る金額
金額表すもの
減価償却費当期に費用として配分した金額。P/Lに反映する。
減価償却累計額これまでに減価償却した金額の合計。間接法で別の勘定に残す。
帳簿価額取得原価から累計額を引いた残り。B/Sで資産を読むときの金額。

今年の費用は減価償却費、過去からの合計は累計額、まだ残る分は簿価です。数字の役割を分けると、計算結果を仕訳や決算書へ正しくつなげられます。

詳しい解説

減価償却の全体像

2
全体の流れをつかもう
▼

1. 減価償却とは?(何のためにやるの?)

一言でいうと、長持ちする資産を買ったとき、その費用を「使った期間」に分けてピッタリ配分するルールです。

💡 目的(なぜやるのか?)
  • 利益を正しくする(費用収益対応):売上に貢献してくれた年ごとに費用を分けて、成績を正しく見せるため。
  • 資産を盛りすぎない:古くなった資産を「新品と同じ価値です」とウソをつかず、今の本当の価値に近づけるため。
  • 年ごとの比較をしやすくする:買った年だけ費用がドカンと跳ね上がるのを防ぐため。

2. 絶対に覚えるべき4つの重要キーワード

計算や仕訳に登場する、メインキャラクターたちです。

用語 意味(一言でいうと)
取得原価
(しゅとくげんか)
買ったときの値段(本体代 + 使えるようにするための付随費用)
残存価額
(ざんぞんかがく)
使い終わったあとに、最後に残る予定の価値(引くのを忘れない!)
耐用年数
(たいようねんすう)
その固定資産を使える予定の年数
帳簿価額
(ちょうぼかがく)
帳簿にいま残っている、実質的な「いまの価値」

3. 計算式(定額法)の2ステップ

減価償却の計算は、「1年分の基本料金を出す」→「使った月数で調整する」のシンプルな2ステップです。

ステップ①:1年分を出す(絶対に最後に残る分は引くこと!)
1年分(12か月分)の減価償却費 =
取得原価 処分後に残る価値は差し引きます − 残存価額
耐用年数
ステップ②:使った月数にする(期中取得の月割計算)

年の途中で買った場合、1年目だけは「実際に使った月数」だけを費用にします。

当期の減価償却費 = 1年分の減価償却費 × 当期の使用月数 12か月

4. 決算の仕訳(直接法と間接法)

計算した金額を帳簿に書くルールです。簿記3級の主役は間接法です。

比較項目 直接法(ダイレクトに削る) 間接法(3級の主役:別に貯める)
考え方 固定資産の金額から直接引く。 買った金額は残し、減った分を別の勘定科目に貯める。
仕訳 (借)減価償却費 XXX /(貸)備品 XXX (借)減価償却費 XXX /(貸)減価償却累計額 XXX
勘定科目 貸方は、備品など「資産の減少」 貸方は、資産を間接的に引く「マイナス専用の勘定科目」

5. T字勘定紹介

減価償却費のT字勘定
減価償却費(費用)
発生
増えるときは借方(ホームポジション)
減るときは貸方
減価償却累計額のT字勘定
減価償却累計額(資産のマイナス勘定)
減少(固定資産を売却した時等、取り崩す)
増加
減るときは借方
増えるときは貸方(ホームポジション)

よくある質問

減価償却費と減価償却累計額は、何が違いますか?

減価償却費は今回費用にする金額、減価償却累計額はこれまでに減価償却した合計額です。間接法では、当期分を累計額に加えます。

減価償却の計算前に、何を確認しますか?

取得原価・残存価額・耐用年数と、当期の使用期間を確認します。定額法では年額を求め、必要に応じて月割りして当期の費用を出します。

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著者
effboki編集部
監修
effboki代表清水 和
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。