簿記3級 商品売買・三分法

【商品売買】売掛金・未収入金の違いとは?本業か本業以外かを見極めるコツ|簿記3級

売掛金と未収入金、買掛金と未払金。「ツケ(後払い)」の勘定科目で迷ったら、必ず「それが本業(商品の売買)かどうか」を確認しましょう!本業なら売掛金・買掛金、本業以外(備品など)なら未収入金・未払金。テストで頻出するひっかけ問題を防ぐ、絶対のルールを解説します。

先に結論

簿記3級の仕訳で、「ツケで売った(買った)」という問題が出たとき、「売掛金だっけ?未収入金だっけ?」と迷ってしまうことはありませんか?

結論から言うと、これらを見分ける絶対のルールは「その取引が営業活動(本業=メインの商売)かどうか」です。

本業(商品)をツケで売買した ⇒

本業以外(備品や土地など)をツケで売買した ⇒

どちらも「後でお金をもらう(または払う)」という点では全く同じです。しかし、簿記の世界では、この2つを絶対に混ぜてはいけないという鉄則があります。この記事では、なぜわざわざ勘定科目を分けて記録するのか、その重要すぎる理由をわかりやすく解説します!

なぜツケ(後払い)の勘定科目でつまずいてしまうのか?

初学者がこれらの勘定科目で混乱し、テストで失点してしまう原因は主に以下の3つです。

1. 全部同じ「ツケ」として一括りにしてしまう

「後でお金をもらう権利(資産)」も「後でお金を払う義務(負債)」も、日常生活の感覚ではすべて同じ「ツケ」や「後払い」として捉えがちです。しかし、簿記では「何を対象とした取引か」によって名前を変えなければなりません。ここを意識しないと、直感で間違った勘定科目を選んでしまいます。

2. 会社の「本業(営業活動)」が何なのかを確認していない

問題文を読む際、単に「商品をツケで買った」「備品をツケで買った」という事実だけでなく、「その会社にとってのメインの商売(本業)に関連する取引かどうか」を見極める必要があります。この前提条件を読み飛ばすと、勘定科目の選択を間違えてしまいます。

3. 「なぜ名前を分けるのか」という本当の理由を知らない

もし、本業に関する未収額も本業以外の未収額も、全部まとめて「売掛金」として決算書に載せてしまったらどうなるでしょう?外部の投資家や銀行に対し、会社の本業の実力を誤解させてしまう大問題に発展します。暗記に頼る前に、この「厳密に区別する理由」を知ることが一番の近道です。

ここからは、この記事の図解を使って、勘定科目を「営業活動(本業)」と「それ以外」で厳密に区別する理由をスッキリと腑に落としていきましょう。

売掛金と未収入金・買掛金と未払金を図解で順番に解説

ここからは、この記事の図解を使って解説していきます。

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パターン1:売掛金・買掛金(本業の“ツケ”)

本業の商品・サービスをツケ(口約束)で売買したときに使うのが、売掛金・買掛金です。
「商品を掛けで買った・売った」と書いてあったら、この勘定科目を使用してください。
簿記三級では、「商品の売買=本業」「商品以外の売買(備品、建物等)=本業以外」と考えて大丈夫です。

売掛金(資産) 本業の商品・サービスをツケ(口約束)で売った時に使います。
将来、現金を受け取ることができる権利なので、資産です。
買掛金(負債) 本業の商品・サービスをツケ(口約束)で買った時に使います。
将来、現金を支払わなければならない義務なので、負債です。
売掛金・買掛金と未収金・未払金

同じ「ツケ(=口約束)」でも、本業の売買かどうかが分かれ目。

  • 本業の売買(=商品の売買) → 売掛金・買掛金
  • 本業以外の売買(=商品以外の売買)→ 未収金・未払金
1-1 売掛金(発生)
📝 例題:商品を120,000円で掛け販売した。
💡 解答
120,000
120,000

意味:売上は成立。入金は後日だが「もらえる権利」が発生。

1-2 売掛金(消滅=回収)
📝 例題:上記の売掛金120,000円が普通預金に振り込まれた。
💡 解答
120,000
120,000

意味:「もらえる権利」が現金(預金)に変わったので売掛金が消える。

1-3 買掛金(発生)
📝 例題:商品を80,000円で掛け仕入した。
💡 解答
80,000
80,000

意味:仕入は成立。支払は後日なので「払う義務」が発生。

1-4 買掛金(消滅=支払)
📝 例題:上記の買掛金80,000円を現金で支払った。
💡 解答
80,000
80,000

意味:払う義務を果たしたので買掛金が消える。

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パターン2:未収入金・未払金(本業以外の“ツケ”)

本業ではない売買をツケで行ったときに使うのが、未収入金・未払金です。備品や車両など、商品以外のものを売買しているならこちらを考えます。

未収入金(資産) 備品など、本業以外のものをツケで売り、代金を後で受け取るときに使います。
将来、現金を受け取ることができる権利なので、資産です。
未払金(負債) 備品など、本業以外のものをツケで買い、代金を後で支払うときに使います。
将来、現金を支払わなければならない義務なので、負債です。
2-1 未収入金(発生)
📝 例題:備品を50,000円で売却し、代金は後日受け取る。
💡 解答
50,000
50,000

意味:備品を売却したので本業以外の売買が成立しました。代金はまだ受け取っていないので、未収入金という「もらえる権利」が発生します。

2-2 未収入金(消滅=回収)
📝 例題:未収入金50,000円が普通預金に振り込まれた。
💡 解答
50,000
50,000

意味:未収入金として持っていた権利が、普通預金への入金に変わったので未収入金が消えます。

2-3 未払金(発生)
📝 例題:備品40,000円を購入し、代金は後日支払う。
💡 解答
40,000
40,000

意味:備品の購入は終わっていますが、支払はまだです。そこで未払金という「あとで支払う義務」を計上します。

2-4 未払金(消滅=支払)
📝 例題:未払金40,000円を現金で支払った。
💡 解答
40,000
40,000

意味:代金を実際に支払ったので、未払金という義務を果たしました。未払金が消え、現金が減ります。

会社の実力を正しく伝えるために、名前を分ける!

売掛金と未収入金、買掛金と未払金を分ける理由はイメージできましたか?

同じ金額の入金予定であっても、それが本業の商品の販売によるものか、使わなくなった備品の売却によるものかで、会社が本来持っている稼ぐ力(実力)への評価は全く変わってきます。この視点を持つだけで、簿記のルールがどれだけ理にかなっているかがわかりますよね。

今後の仕訳問題で後払いの取引を見たら、「ちょっと待てよ、これは本業の商品の話か?それともサブの活動(備品など)の話か?」と、必ず立ち止まって確認するクセをつけてくださいね!

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この記事では、「売掛金と未収入金、買掛金と未払金をなぜ分けるのか」という考え方を分かりやすく整理しました。関連する学習記事では、この基礎知識を活かして、他のさまざまな「もらう権利・払う義務」のペアを体系的に確認できます!

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著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。