簿記が頭に入らないのは、新しい言葉と考え方に慣れていないから
なぜ、簿記はこれほどまでに頭に入りにくいのでしょうか。それは、簿記が今まで学校で習ってきた数学でも、国語でも、歴史でも、理科でもない、全く新しい「簿記」という世界だからです。
高校生になって物理や数学IIなどの新しい科目をスムーズに学べたのは、小学生の時から「足し算・引き算・掛け算」という基礎を何年もかけて積み上げてきたからです。
しかし、簿記にはその土台がありません。今までの考え方や常識からはガラリと変わるため、大人になってから「今から足し算や掛け算をイチから学ぶようなもの」なのです。
最初は「足し算って何?」というレベルからスタートしているのと同じ状態だと言えます。
判断を繰り返すと、考える順番が身につく
あなたは今、「7+8=15」と一瞬で答えられますよね。でも、初めて足し算を習った子どもの頃は、指を折りながら一生懸命数えていたはずです。
簿記の仕訳一つにしても、全く同じです。簿記ができる人がパパッと素早く仕訳を切れるのは、特別な才能があるからでも凄いからでもなく、「ただ慣れたから」に過ぎません。
最初は言葉の定義を覚えるのに時間がかかって当然なのです。焦らず、まずは新しい概念に「慣れること」を目標にしましょう。
簿記の勘定科目は、取引の背景をイメージして理解する
では、早く慣れるためにはどうすればいいのでしょうか。大切なのは、言葉やルールを機械的に暗記するのではなく、「取引の背景をイメージすること」です。
「なぜここでこの勘定科目が登場するのか?」「ビジネスの現場で、今どんな取引が行われたのか?」
ただ文字面を追うのではなく、会社で起きているお金やモノの動きを頭の中でリアルに思い浮かべる癖をつけてください。背景を知り、イメージが伴った知識は、記憶に強く残ります。
最初は覚えることも多く大変ですが、この「イメージする力」を持てるかどうかが、その後の学習の伸びを大きく左右します。
イメージできない部分を、質問して確かめる
学習中に「なんで?」という疑問が出てくるのは、頭の中のイメージがまだ鮮明に結びついていないサインです。
とはいえ、テキストを読んだだけで「なるほど、そういう理由か!」とすべてを完璧にイメージし、理解できる人は稀です。どうしても腹落ちしない部分、モヤモヤする部分は必ず出てきます。
そんな時、「とりあえず暗記で」と片付けてしまうのか、それとも「なぜそういう処理になるのか?」を納得いくまで聞ける相手がいるのか。この差が、数週間後、数ヶ月後の実力に決定的な違いを生み出します。
疑問を言葉にすると、曖昧なところが見えてくる
分からないことを質問するのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、「自分の言葉で疑問を言語化する」プロセス自体が、理解を確かめるアウトプット学習になります。
イメージできない部分を言葉にして誰かに伝え、一緒にほどいていくことで、初めて本物の実力が身につくのです。
まとめ:取引を思い浮かべ、言葉に慣れる
専門用語が難しいと感じるときは、言葉の定義と会社の出来事を結びつけます。何が増減したかをイメージし、自分の言葉で説明してみる。説明できない部分は基礎的なことでも聞き直し、一つずつつながりを確かめましょう。