7. Step 4:帳簿の締切(決算振替・繰越)
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いよいよ、簿記のクライマックスです。
ここでは「決算振替仕訳」という手続きを行います。
まず、簿記の5要素(資産・負債・純資産・収益・費用)は、決算日を迎えると「2つの異なる運命」をたどることを知ってください。
1 グループごとの「運命」の違い
決算日(3月31日)の夜、それぞれのグループはどうなるのでしょうか?
P/Lは「1年間の成績表」です。
来年の4月1日になったら、売上はまたゼロからスタートしなければなりません。(去年の売上を引きずっていたら、今年の頑張りがわかりませんよね?)
「決算振替仕訳」をして、今年の収益と費用をすべて空っぽ(残高ゼロ)にします。これを「帳簿の締切」と呼びます。
※振替:残高を他の勘定に移動(振替)させること
B/Sは「財産目録」です。
3月31日に決算が終わっても、金庫の現金や借金は消えません。翌朝4月1日にもそのまま残っています。
- 残高をゼロにしてリセットせず、そのまま来年の帳簿に残高を「繰り越し」ます。
帳簿の締切は、P/Lグループを先に締めてから、B/Sグループを締めるのが基本です。
これは、P/Lで計算された当期純利益を、B/Sの純資産(繰越利益剰余金)へ移す必要があるためです。
2 P/Lグループの帳簿の締切
まずは、P/Lグループの帳簿の締切から見ていきます。
では、具体的にどうやって「リセット」し、「利益を移動」させるのか?
そのために行うのが、以下の2つの決算振替仕訳です。
① 決算振替仕訳①:費用・収益の残高を、「損益」勘定に移す
各収益勘定と各費用勘定の残高をすべて「損益勘定」という集計勘定に移動させ、残高をゼロにします。
結果:- 各収益勘定と各費用勘定の残高はゼロになります(=帳簿の締切)
- 損益勘定に収益と費用の残高が集められることで、結果的に損益勘定には収益と費用の差額(=当期純利益)だけが残ります。
下の2つの決算振替仕訳を切ることで、費用・収益の残高を「損益」勘定に集めます。
- 目的: 今年の「費用」勘定をゼロにする(リセット)。
- 方法: 費用のホームは「左」なので、「右(貸方)」に仕訳して消し込み、その分を「損益」の左側に移します。
- 目的: 今年の「収益」勘定をゼロにする(リセット)。
- 方法: 収益のホームは「右」なので、「左(借方)」に仕訳して消し込み、その分を「損益」の右側に移します。
② 決算振替仕訳②:「損益」勘定の残高を、「繰越利益剰余金」勘定に移す
損益勘定で計算された当期純利益を純資産の「繰越利益剰余金勘定」に移動させ、損益勘定の残高をゼロにします。
結果:- 損益勘定の残高はゼロになります(帳簿の締切)
- 繰越利益剰余金勘定(純資産)に当期純利益が移動される。
- これにより実質的に、「1年間で稼いだ分(P/L)」が「会社の財産(B/S)」に積み上がるのです。
下の決算振替仕訳を切ることで、損益勘定の残高を「繰越利益剰余金」勘定へ移します。
- 目的: 確定した利益を、純資産(自分の財産)に加える。
- 方法: 「損益」勘定に残っている差額(利益)を、B/Sの「繰越利益剰余金(くりこしりえきじょうよきん)」へ移動させます。
4 図解で流れを理解
決算振替仕訳の詳しい図解は、教科書本編で確認できます。
教科書本編を確認する
5 締切後の費用収益勘定の例
流れは大体つかめましたか?
決算振替仕訳を行うと、各勘定の借方と貸方が一致し、残高はゼロになります。
ここからは、実際に試験で出てくる勘定の形で、締切後の各勘定がどのようになっているのかを復習がてら確認していきましょう。
決算振替仕訳で貸方に「損益」を入れて、借方=貸方になります。
決算振替仕訳で借方に「損益」を入れて、借方=貸方になります。
収益と費用を集めた結果、損益勘定も借方=貸方にそろい、残高はゼロになります。
3 BSグループの帳簿の締切
B/S(資産・負債・純資産)の勘定は、決算後も翌期へ繰り越すのがポイントです。
「次期繰越」と「前期繰越」を書いて、帳簿を整えます。
B/Sグループは、P/Lグループと違って決算振替仕訳はしません。理由はカンタンで、B/Sは「今の時点で持っている財産・借金・元手(ストック)」だからです。
決算振替仕訳は「収益・費用をゼロにして、損益を純資産へ移す」ための手続きなので、B/S項目には必要ありません。
もしB/Sでも決算振替をしてしまうと、現金や借入金などの残高が消えてしまい、翌期のスタートがずれてしまいます。だから、B/Sは仕訳はきらず、勘定上の締切のみ(次期繰越 → 締切線 → 前期繰越)で正しく引き継ぐだけでOKです。
資産の各勘定科目において、残高が借方にあるので、貸方に「次期繰越」として残高を記入し、借方と貸方の合計金額を一致させて締め切ります。
負債の各勘定科目において、残高が貸方にあるので、借方に「次期繰越」として残高を記入し、借方と貸方の合計金額を一致させて締め切ります。
純資産の各勘定科目も負債と同じように残高が貸方にあるので、借方に「次期繰越」として残高を記入し、借方と貸方の合計金額を一致させて締め切ります。