2 P/Lグループの帳簿の締切
まずは、P/Lグループの帳簿の締切から見ていきます。
では、具体的にどうやって「リセット」し、「利益を移動」させるのか?
そのために行うのが、以下の2つの決算振替仕訳です。
① 決算振替仕訳①:費用・収益の残高を、「損益」勘定に移す
各収益勘定と各費用勘定の残高をすべて「損益勘定」という集計勘定に移動させ、残高をゼロにします。
結果:- 各収益勘定と各費用勘定の残高はゼロになります(=帳簿の締切)
- 損益勘定に収益と費用の残高が集められることで、結果的に損益勘定には収益と費用の差額(=当期純利益)だけが残ります。
下の2つの決算振替仕訳を切ることで、費用・収益の残高を「損益」勘定に集めます。
- 目的: 今年の「費用」勘定をゼロにする(リセット)。
- 方法: 費用のホームは「左」なので、「右(貸方)」に仕訳して消し込み、その分を「損益」の左側に移します。
- 目的: 今年の「収益」勘定をゼロにする(リセット)。
- 方法: 収益のホームは「右」なので、「左(借方)」に仕訳して消し込み、その分を「損益」の右側に移します。
② 決算振替仕訳②:「損益」勘定の残高を、「繰越利益剰余金」勘定に移す
損益勘定で計算された当期純利益を純資産の「繰越利益剰余金勘定」に移動させ、損益勘定の残高をゼロにします。
結果:- 損益勘定の残高はゼロになります(帳簿の締切)
- 繰越利益剰余金勘定(純資産)に当期純利益が移動される。
- これにより実質的に、「1年間で稼いだ分(P/L)」が「会社の財産(B/S)」に積み上がるのです。
下の決算振替仕訳を切ることで、損益勘定の残高を「繰越利益剰余金」勘定へ移します。
- 目的: 確定した利益を、純資産(自分の財産)に加える。
- 方法: 「損益」勘定に残っている差額(利益)を、B/Sの「繰越利益剰余金(くりこしりえきじょうよきん)」へ移動させます。
! 超重要:「利益」が「財産」に変わる瞬間
ここで、多くの初学者が勘違いしやすい「タイミング」について解説します。
皆さんは、「商品を売って利益が出た瞬間」に、純資産(繰越利益剰余金)が増えていると思っていませんか?
実は、まだ増えていません。
「当期純利益」が「繰越利益剰余金(純資産)」に移動するのは、この「仕訳③」を切った瞬間だけなのです。
当期純利益が純資産(繰越利益剰余金)へ移動するのは、Step 4「帳簿の締切」で決算振替仕訳を切ったタイミングです。
つまり、Step 3「決算整理後試算表の作成」の段階では、まだ純資産(繰越利益剰余金)に当期の利益(当期純利益)は入っていません。
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決算整理後 試算表(T.B.)の段階:
まだ「繰越利益剰余金」は去年のままの数字です。当期の利益はまだ含まれていません。 -
決算振替仕訳(仕訳③)の瞬間:
ここで初めて、収益と費用の差額が「純資産」の箱に注ぎ込まれます。
この瞬間、当期の利益が「会社の財産」に確定します。
この「決算振替仕訳」こそが、P/L(今年の成績)からB/S(会社の財産)へバトンが渡される、唯一の架け橋なのです。
だから、この仕訳を忘れると、いくら稼いでもB/Sの純資産は増えないままになってしまいます。
4 図解で流れを理解
勘定の振り替えイメージ(決算振替仕訳)
差額:借方残高 1,500
差額:借方残高 20,000
差額:貸方残高 1,000
差額:貸方残高 25,000
借方合計(当期の費用の合計)と貸方合計(当期の収益の合計)の差額(26,000-21,500=4,500)は当期純利益となる。
※貸方に残額が出た場合(費用<収益)は「当期純利益」
借方に残高が出た場合(費用>収益)は「当期純損失」となる。
尚、この差額は決算振替仕訳によって繰越利益剰余金(純資産に持っていく)
決算振替仕訳によって残高が釣り合った(ゼロになった)
決算振替仕訳によって残高が釣り合った(ゼロになった)
決算振替仕訳をすることで、費用勘定は借方と貸方がぴったり一致します。
その結果、各勘定の残高はゼロになり、翌期へ持ち越しません。(=費用勘定の帳簿の締切)
決算振替仕訳によって残高が釣り合った(ゼロになった)
決算振替仕訳によって残高が釣り合った(ゼロになった)
決算振替仕訳をすることで、収益勘定は借方と貸方がぴったり一致します。
その結果、各勘定の残高はゼロになり、翌期へ持ち越しません。(=収益勘定の帳簿の締切)
決算振替仕訳をすることで、損益勘定は借方と貸方がぴったり一致します。
その結果、各勘定の残高はゼロになり、翌期へ持ち越しません。(=損益勘定の帳簿の締切)
繰越利益剰余金には、決算振替仕訳によって、
前期繰越(前期から繰り越してきた今までの利益の蓄積)に当期純利益(当期新たに生み出した利益)が加算された金額になります。
繰越利益剰余金は純資産(B/S項目)なので、期末でいったん締める必要がなく、翌期へそのまま繰り越してOKです(貸借が揃わなくても問題ありません)。
5 締切後の費用収益勘定の例
流れは大体つかめましたか?
決算振替仕訳を行うと、各勘定の借方と貸方が一致し、残高はゼロになります。
ここからは、実際に試験で出てくる勘定の形で、締切後の各勘定がどのようになっているのかを復習がてら確認していきましょう。
決算振替仕訳で貸方に「損益」を入れて、借方=貸方になります。
決算振替仕訳で借方に「損益」を入れて、借方=貸方になります。
収益と費用を集めた結果、損益勘定も借方=貸方にそろい、残高はゼロになります。