簿記3級 決算・帳簿・財務諸表

繰越利益剰余金はいつ増える?当期純利益が純資産に変わるタイミングを簿記3級向けに解説

当期純利益が繰越利益剰余金へ移るのは、決算整理後試算表の段階ではなく、帳簿の締切で決算振替仕訳を切った瞬間です。

先に結論

繰越利益剰余金が当期純利益の分だけ増えるのは、帳簿の締切で損益勘定から繰越利益剰余金へ振り替えたタイミングです。

決算整理後試算表の段階では、まだ当期純利益は繰越利益剰余金に入っていません。

つまり、利益が財産に変わるのは、P/Lの利益をB/Sの純資産へ移す決算振替仕訳を切った瞬間です。

なぜ間違えるのか

利益が出た瞬間に純資産が増えると思う

商品を売って利益が出ても、その時点で繰越利益剰余金へ直接入るわけではありません。

決算整理後試算表をゴールだと思う

決算整理後試算表は最終チェックの段階です。損益から繰越利益剰余金へ振り替える処理は、まだこの後です。

損益勘定の役割を飛ばす

収益と費用はいったん損益勘定へ集められ、その差額が当期純利益として繰越利益剰余金へ移ります。

利益が財産に変わるタイミングを教科書の流れで解説

ここからは、effbokiの実際の教科書を使って、当期純利益が純資産(繰越利益剰余金)に入るタイミングを確認します。

! 超重要:「利益」が「財産」に変わる瞬間

ここで、多くの初学者が勘違いしやすい「タイミング」について解説します。
皆さんは、「商品を売って利益が出た瞬間」に、純資産(繰越利益剰余金)が増えていると思っていませんか?
実は、まだ増えていません。
「当期純利益」が「繰越利益剰余金(純資産)」に移動するのは、この「仕訳③」を切った瞬間だけなのです。

図解:当期純利益が純資産に入るタイミング
期末日
会計期間の区切り日
ここから決算作業がスタート!
Step 1: 決算整理前試算表の作成
まずは集計!1年間の仕訳に「転記ミス」がないかチェックする。
※3種類の試算表でチェックする
Step 1.5: 未処理事項の整理
「忘れてた!間違えてた!」という人間的なミスを直す。
※記帳漏れや誤りを修正し、スタートラインを整える
Step 2: 決算整理
ミスではなく、ルールの適用による「ズレ」を直して、真実の数字に磨き上げる!
※在庫計算や減価償却など、7つの項目において数字を磨き上げる
Step 3: 決算整理後試算表の作成
決算整理の結果に計算ミスがないか、最終チェック!
※ここでズレがないことを確認する
Step 4: 帳簿の締切
P/Lをリセットして、今年の利益をB/S(貯金)へ移す!
※ここが簿記のクライマックス!
財務諸表の完成
B/S・P/Lが完成
経営成績と財産が見える化

当期純利益が純資産(繰越利益剰余金)へ移動するのは、Step 4「帳簿の締切」で決算振替仕訳を切ったタイミングです。
つまり、Step 3「決算整理後試算表の作成」の段階では、まだ純資産(繰越利益剰余金)に当期の利益(当期純利益)は入っていません。

  • 決算整理後 試算表(T.B.)の段階:
    まだ「繰越利益剰余金」は去年のままの数字です。当期の利益はまだ含まれていません。
  • 決算振替仕訳(仕訳③)の瞬間:
    ここで初めて、収益と費用の差額が「純資産」の箱に注ぎ込まれます。
    この瞬間、当期の利益が「会社の財産」に確定します。
✅ 【結論】

この「決算振替仕訳」こそが、P/L(今年の成績)からB/S(会社の財産)へバトンが渡される、唯一の架け橋なのです。
だから、この仕訳を忘れると、いくら稼いでもB/Sの純資産は増えないままになってしまいます。

※繰越利益剰余金はいくら?という引っ掛け問題が非常に多いです。聞かれたタイミングによって今年の利益を入れた数字なのか、去年までの繰越利益剰余金の金額でいいのか引っ掛けになるので気をつけてください。
教科書で前後の流れまで確認

この続きは教科書で確認できます

この記事では、当期純利益が繰越利益剰余金へ移動するタイミングを記事向けに整理しました。教科書本編では、帳簿の締切と決算振替仕訳の流れまで順番に確認できます。

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