簿記3級 決算・帳簿・財務諸表

未処理事項と決算整理の違い|どちらを先に仕訳する?

この記事の目次

まず、ここだけ押さえよう

未処理事項は、まだ記録していない取引などを帳簿へ反映するもの。決算整理は、記録した数字を当期の費用・収益や期末の残高に整えるものです。

どちらも決算の問題に出てきますが、目的が違います。記録漏れがあるまま調整を始めると、計算のもとになる残高も違ってしまうため、未処理事項や誤りの修正を先に行います。

2つの作業を区別する
作業何を直すか処理の例
未処理事項・誤りの修正本来記録すべき取引が抜けている、または記録が誤っている状態。未記帳の取引を仕訳する。間違えた科目や金額を訂正する。
決算整理正しく記録した金額と、当期に属する金額との違い。売上原価を計算する。減価償却する。翌期分を繰り延べ、未記録の当期分を見越す。

順番は、試算表の残高を確認 → 未処理・誤りを修正 → 修正後の数字で決算整理です。問題文を読んだら、まず「記録そのものを直す話か、決算の調整の話か」を分けましょう。

詳しい解説

未処理事項の整理と決算整理

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4. Step 1.5:未処理事項の整理(ミスの修正)
▼

試算表の左右が一致した!さあ決算整理だ!……と焦ってはいけません。
その前に、「やるべきことをやっていなかった(未処理)」ものを片付ける必要があります。

1年間の記録を振り返って、「あ!3日前の取引、記帳し忘れてた!」「金額を1,000円じゃなくて100円って書いちゃってた!」と気づくことがあります。

高度な決算整理に入る前に、まずはこの「当たり前の記録(日常の仕訳)」を完璧な状態にしなければなりません。これを「未処理事項の整理」と呼びます。

具体的には、未処理事項の整理には以下の2つがあります。

取引の記帳漏れ

忘れていた取引を追加で仕訳する。

記録の誤り

間違った仕訳を修正する(訂正仕訳)。

鉄則

マイナス(ミスのある状態)をゼロ(普通の正しい状態)に戻す作業です。これをやって初めて、正しい決算整理のスタートラインに立つことができます。

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5. Step 2:決算整理(ズレの修正)
▼

人間のミスを直したら、いよいよ「数字を磨き上げる(価値を修正する)」作業に入ります。これが「決算整理仕訳」です。
これは人間が間違えた「ミス」ではありません。日々の正しい仕訳だけではどうしても表現しきれない、「時間の経過」や「ルールの違い」によって発生する【現実とのズレ】を直す作業です。

【本質的にやっていることは2つだけ】
  • 「今年の費用は今年のものに、今年の収益は今年のものに揃える(帳尻合わせ)」
  • 「価値が上がったり下がったりしているものがあれば、正しい価値に直す」
    (持っていた株が値上がりしていたら、その分資産は増えるので資産を増やして現時点の正しい価値に合わせてあげる)
1 3級で学ぶ決算整理事項(7つの帳尻合わせ・価値合わせ)
決算整理項目 目的(結局何をしているのか?)
① 売上原価の算定 費用を今年の費用だけに揃える。
仕入れたけど、まだ売れ残っている在庫を今年の費用から引く。
(しーくり・くりしー)
② 現金過不足 帳簿を事実に合わせる。
帳簿と実際の現金が合わない場合、原因不明分を「雑損・雑益」で調整する。
③ 貸倒れの見積もり 費用を今年の費用に揃える。
「返ってこないかも…」というリスク(貸倒引当金)を、今年の費用にする。
④ 減価償却 費用を今年の費用に揃える。
建物や車が「1年使って古くなった価値」を計算して、今年の費用にする。
⑤ 貯蔵品の振替 費用を今年の費用に揃える。
使いきれずに余った切手などを費用から、”貯蔵品”という資産にして繰り越す。
⑥ 当座借越 負債の場所を正しくする。
当座預金のマイナス分を「当座借越(借入金)」という負債に直す。
⑦ 経過勘定項目 費用・収益を今年のものに揃える。
前払いや未払いなど、期間のズレを調整する。

よくある質問

未処理事項と決算整理は、何が違いますか?

未処理事項は、記録していない取引などを帳簿へ反映するものです。決算整理は、記録した数字を当期の費用・収益や期末の残高に整えるものです。

未処理事項と決算整理は、どちらを先に行いますか?

未処理事項や誤りの修正を先に行います。記録漏れなどを直した残高を使って、貸倒引当金の設定などの決算整理を行います。

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著者
effboki編集部
監修
effboki代表清水 和
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。