簿記3級 決算・帳簿・財務諸表

【決算・帳簿】決算整理前試算表とは?目的と3つの種類、貸借平均の原理を解説|簿記3級

「決算整理前試算表って、ただ数字を書き写すだけで面倒くさい…」と思っていませんか?実はこの表、決算整理に入る前に「1年間の仕訳や転記ミス」をあぶり出してくれる超優秀なチェックツールなのです!魔法のように左右の金額が一致する「貸借平均の原理」と、3種類の試算表の使い分けをわかりやすく解説します。

先に結論

簿記の学習もいよいよ決算に突入!「さあ、在庫の計算や減価償却をするぞ!」と意気込んでいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。もし、半年前の仕訳で「書き間違い」や「計算ミス」をしたまま決算を進めてしまったらどうなるでしょう?最後の最後で数字が合わず、大パニックになってしまいます。

結論から言うと、決算整理前試算表(T.B.)を作る最大の目的は、「決算整理に入る前に、1年間の仕訳や転記にミスがなかったかを確認すること」です。

1年間コツコツと記録してきたすべての勘定科目を一覧表にまとめ、「借方(左)と貸方(右)の合計金額がピッタリ一致するか?」をテストします。この記事では、試算表がミスを見つける仕組み(貸借平均の原理)と、3種類の試算表の違いをわかりやすく解説します!

なぜ試算表の問題でつまずいてしまうのか?

初学者が試算表の作成や意味でモヤモヤしてしまう原因は、主に以下の3つです。

1. 「決算整理(ズレの調整)」と混ぜて考えている

前回の記事でも学んだ通り、決算には「正しい順番」があります。決算整理前試算表は、あくまで「人間のミス(転記ミスや計算ミス)」を探すための準備段階の表です。まだこの段階では、減価償却などの複雑な決算整理は行いません。頭の中で作業をしっかり区別しましょう。

2. 魔法のルール「貸借平均の原理」を知らない

複式簿記では、日々の仕訳を必ず「借方(左)と貸方(右)を同じ金額」で記録します。ということは、1年分すべてを集めた試算表も、絶対に借方合計と貸方合計が一致するはずです(貸借平均の原理)。もしここが1円でもズレていれば、どこかで書き間違えているという確実な証拠になります。この仕組みを知らないと、ただ数字を埋めるだけの苦痛な作業になってしまいます。

3. 3種類の試算表の違いを「形」だけで丸暗記している

試算表には「合計試算表」「残高試算表」「合計残高試算表」の3種類があります。「合計試算表は総額を書く…」と形だけ暗記するのではなく、「ミスを見つけやすいのはどれか?(合計)」「この後すぐにB/S・P/Lを作りやすいのはどれか?(残高)」という『目的』から理解すると、問題でどれを指定されても迷わず作れるようになります。

決算整理前試算表を図解で順番に解説

ここからは、この記事の図解を使って、決算整理前試算表の目的・作り方・3つの種類を確認します。

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3. Step 1:決算整理前試算表(T.B.)でのチェック

日々の仕訳と転記が終わったら、まずは「決算整理前試算表」を作成します。決算整理前試算表を 英語でTrial Balance(トライアル・バランス)、略してT.B.と呼びます。

  • 目的: 1年間やってきた「仕訳」や「転記」に、書き間違いや計算ミスがないか確かめるため。
    決算整理前試算表は決算が行われる期末には必ず作成しますが、実務では少なくとも毎月末には作成しています。作成期間が短いほど誤りが早く発見できるからです。
  • 仕組み: 全ての勘定科目の「借方合計」と「貸方合計」を一覧表に集計します。
  • ルール: 複式簿記は、必ず左右を同じ金額で仕訳しますよね。だから、魔法のように「試算表の借方合計 = 貸方合計」に必ずなります。(貸借平均の原理)もしここが1円でもズレていれば、どこかで書き間違えているという証拠です。
※貸借平均の原理:

複式簿記では、常に「借方と貸方の金額が一致する」という絶対ルールのこと。仕訳の時点で左右が一致しているのだから、それを全部集めた試算表も絶対に借方と貸方の金額が一致するという原理。

・決算整理前試算表の3つの種類

種類 特徴 目的
① 合計試算表 借方と貸方それぞれについて「総額(合計)」を書く。 金額の動きが全て見えるので、転記漏れや計算ミスを見つけるのに最適。
② 残高試算表 借方と貸方の差額である「残高(結局、今いくら残っているか)」だけ書く。 B/SやP/Lを作る直前の形。実務で一番よく使う。
③ 合計残高試算表 合計と残高の「両方」を書く。 情報量は多いが、作るのが大変。

左右が一致した瞬間の「快感」を味わおう!

決算整理前試算表の目的と、貸借平均の原理はスッキリ理解できましたか?

試算表の作成問題は、たくさんの数字を電卓で叩いて集計するため、最初はとても時間がかかります。しかし、すべての集計が終わって一番下の「借方合計」と「貸方合計」がピタッ!と一致した瞬間の快感は、簿記を学ぶ人だけが味わえる最高の達成感です。

この表で「1年間のミスがないこと(スタートライン)」が証明できたら、いよいよ次は「決算整理」という数字の磨き上げ作業に入っていきます!

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この記事では、「決算整理前試算表」の目的と種類を分かりやすく整理しました。関連する学習記事では、この表を作った後に待ち受けている「未処理事項の修正」や「決算整理仕訳」へと進む流れを、順番に詳しく確認できます!

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著者
effboki編集部
監修
effboki簿記学習設計チーム
公開日
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。