簿記3級 決算・帳簿・財務諸表

損益計算書の見方|収益・費用から利益を読む、勘定式と報告式

この記事の目次

まず、ここだけ押さえよう

損益計算書(P/L)は、一定期間の「収益」と「費用」から、その期間にいくら利益が出たかを示す表です。

収益 − 費用 = 利益

売上が大きくても、費用がそれ以上なら損失です。また、掛け売上や減価償却も含まれるため、利益はそのまま現金の増加額を表すわけではありません。まずは、どの収益に、どの費用を対応させているかを見ます。

損益計算書の2つの読み方
形式見る順番
勘定式左の費用と右の収益を比べる。収益のほうが多い場合、差額の利益を左側に記入して合計をそろえる。
報告式上から収益と費用を順にたどり、段階ごとの利益を読む。

報告式では、売上高から売上原価を引くと売上総利益、さらに販売費及び一般管理費を引くと営業利益になります。その後、営業外の損益、特別損益、税金を順に反映し、最後に当期純利益へたどり着きます。

利益の名前を一つずつ暗記する前に、「ここまでの収益から、何を差し引いた利益か」を追うと、表全体がつながって見えます。

詳しい解説

損益計算書(P/L)の見方

4
step2.P/Lの構造(報告式と勘定式)
▼

表示方法-報告式と勘定式-

P/Lの表示方法(形式)は、大きく分けて2つあります。勘定式と報告式です。

勘定式:

左に費用、右に収益を分けて並べる形式です。
費用・収益・利益の関係を横に見比べやすくなります。

報告式:

上から下へ、ズラズラと箇条書きで並べていく形式です。
「売上から順番にいろいろな費用を引いていって、最終的な利益を出す」というストーリーが見えやすいため、実務ではP/L(損益計算書)でよく使われます。

文だけだとイメージしづらいと思うので、ここからは一緒に図解で確認していきましょう。

勘定式
損益計算書(勘定式・3級レベル) (単位:円) 費用の部 収益の部 仕入 ××× 給料 ××× 家賃 ××× 水道光熱費 ××× 支払利息 ××× 特別損失 ××× 当期純利益 ××× 売上高 ××× 受取利息 ××× 特別利益 ×××
報告式
損益計算書(報告式・3級レベル) (単位:円)
売上高XXX
本業で商品やサービスを売って得た収入です。
売上原価XXX
商品やサービスを提供するために「直接」かかったコストです。(例:売れたおにぎりの仕入代金)。
売上総利益XXX
商品やサービスの「素材の力」で稼いだ利益です。世間では「粗利(あらり)」とも呼ばれます。ここがマイナスだと「売れば売るほど赤字」という非常にマズい状態です。
販売費及び一般管理費
商品を売るための費用=販売費(広告宣伝費、販売員の給料など)と、会社全体を管理するための費用=一般管理費(本社の家賃、事務員の給料、水道光熱費など)の合計です。略して「販管費(はんかんひ)」と呼ばれます。
・給料XXX
・家賃XXX
・水道光熱費XXX
営業利益XXX
本業の「ビジネスモデル」で稼いだ利益です。社員を雇い、お店を構え、宣伝をした上で手元に残る、会社の本業の本当の実力値です。投資家が最も注目する利益です。
営業外収益
本業以外で、毎月・毎年「経常的(いつものこと)」に入ってくる収益です。(例:銀行からの受取利息、株の配当金など)。
・受取利息XXX
営業外費用
本業以外で、毎月・毎年「経常的(いつものこと)」にかかる費用です。(例:銀行への支払利息など)。
・支払利息XXX
経常利益XXX
財務活動(お金の貸し借りなど)も含めた、会社全体の「平常運転時のトータルの実力」を表します。ビジネスニュースで「今期の経常利益は〜」とよく使われる重要な指標です。
特別利益
ふだんは起きない、臨時的で特別なプラスのことです。(例:古くなった本社ビルを売ったら高く売れた!など)。
・固定資産売却益XXX
特別損失
ふだんは起きない、臨時的で特別なマイナスのことです。(例:火災で倉庫が燃えてしまった!など)。
・固定資産売却損XXX
税引前当期純利益XXX
火災による損失など、今回だけ特別に発生したイレギュラーな事象もすべてひっくるめた、「税金を払う直前の今年の全成績」です。
法人税等XXX
会社が出した利益に対して、国や自治体に支払う税金のことです。
当期純利益XXX
税金もすべて払い終えて、最終的に会社の手元に残る「本当の取り分」です。このお金が株主への配当金になったり、来年のための会社の貯金(繰越利益剰余金)になったりします。

報告式のP/Lを見ると、最終的な「当期純利益」が出るまでに、5種類の「〇〇利益」が登場していることに気づきましたか?
「最終的な利益だけわかればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、投資家や銀行は「なぜ儲かったのか?」「本業は順調なのか?」という原因分析をしたがります。だからこそ、P/Lは上から下へ階段を降りるように、意味の違う5つの利益を順番に計算していくのです。
上のP/Lは、単語をタップすることで各単語の意味が出てくるようにしてあるので、それぞれの言葉がどんな意味を持つのか確認してみてください。

よくある質問

売上が大きければ、利益も大きいといえますか?

売上だけでは判断できません。収益から費用を差し引いて利益を求めるため、費用が収益を上回れば損失になります。

P/Lの利益は、現金が増えた金額ですか?

同じではありません。掛け売上や減価償却など、お金の受払いと収益・費用の記録時期が一致しない取引も含まれるからです。

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著者
effboki編集部
監修
effboki代表清水 和
更新日

この記事は、簿記3級・2級の学習者がつまずきやすいポイントを、教材設計と質問対応の観点から整理しています。